北海道取材ツアー⑥北大の手厚いもてなしに感謝

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北海道大学サマーインスティチュートでの授業が終わり、東京に戻る機内にいる。メディア専攻の学生だけでなく、わざわざこのカリキュラムのために集まった天津・南開大学英語学科の大学院生や米国で設計を学ぶ中国人大学生、さらには北大医学部在籍の中国人留学生までと幅広い顔ぶれがそろい、熱のこもった議論ができた。日本人が中国語で中国メディアを語るという斬新な企画も、まずは成功したのではないか。

今回の企画は、北大大学院国際広報メディア・観光学院の渡辺浩平教授が発案したものだ。渡辺教授には、学生の取材ツアーでビザ申請に必要な招請状を出していただいただけでなく、私たちが札幌に到着した5月30日、中国人留学生との交流会まで開いてくれた。オードブルのほか、カレーが出て大好評だった。台湾社会を研究している藤野陽平教授も飛び入り参加し、お酒を差し入れてくれた。実際は、出席者を中国人留学生に限ったわけではないのだが、大学院の学生は大半が中国人なので、結果的にそうなってしまう。今回のサマーインスティチュートでも、日本人学生の姿はなかった。

交流会には、取材ツアーで通訳を担当をお願いした修士・博士課程の魯諍、王梓韓、王瞻、南岳さんの計4人も同席し、有意義なやり取りができた。北大祭の当日は、中国人の女子院生3人が案内役まで買って出てくれた。北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院の東アジアメディア研究センター学術研究員、芳賀恵さんには、スケジュールや交通手段に関するきめ細かいアドバイスや、取材先との連絡までしていただいた。

北大の先生や学生にはことのほかお世話になった。深く感謝を申し上げたい。

交流会が終わって、同学院の藤野彰教授が私たちのホテルまで同行し、学生を部屋に届けた後、私とすすきので夜中まで飲んだ。先頭を切って、スタスタと札幌の繁華街を歩く藤野氏を、学生たちは興味深く思ったようだ。後で藤野氏の後ろ姿の写真が送られてきた。

北海道ツアーの初日は、早朝に上海を発ち、駆け足でスケジュールをこなしたが、手厚いもてなしのうちに過ぎた。

(続)


編集部より:この記事は、汕頭大学新聞学院教授・加藤隆則氏(元読売新聞中国総局長)のブログ「独立記者の挑戦 中国でメディアを語る」2018年7月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、加藤氏のブログをご覧ください。