こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
7月10日は夕方より、私も今年度から委員になっている「青少年問題協議会」が行われました。
東京都青少年問題協議会
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/singi/seisyokyo/
今回の協議会は、有識者の方々にここまで議論をしてまとめていただいた「生きづらさを抱える若者への社会的自立に向けた支援について」(仮称)というプランについて報告を受け、議論するものです。
不登校や引きこもりなど、青年期・若者に特有の(引きこもりは高齢化もしていますが…)社会課題について、行政や福祉がどのような手を差し伸べることができるかというのは重要なテーマの一つです。
こうした悩める若者支援のために、都が中核事業として行っているのが「若ナビα」と言われる若者向け無料相談窓口の運営です。
東京都若者総合相談センター「若ナビα」
http://www.wakanavi-tokyo.net/
ところがこの「若ナビ」、前期に総務委員会に所属していたときから指摘をしてきたのですが…機能面・デザイン性ともに若者向けとは言えないものに留まっていることが大きな課題です。
まずサイトを一見して、この時代に画像や動画がまったくない古色蒼然としたものになっています。スマホ版サイトはさらにシンプル…。
相談を受け付けるのは平日日中を中心とした電話のみ(通話料は有料)、メール利用の場合は登録が必要で、返信の目処は「10日以内」。
ほとんどのコミュニケーションをSNSで完結させている若者たちにとって、これは残念ながら「相談しやすい」体制とはまったく言えないと思います。
(他の出席都議からも、ほぼ同様の指摘が)
メールの返信にこれだけの時間を要していることから、SNSによる相談受付などはさらにハードルが高く、現時点では実施することができない事情は理解できます。
しかしながら東京都が、引き続浮き本腰を入れてこの「無料相談窓口」を若者支援の中核と位置づけるのであれば、
・サイトデザインを一新
・SNSアカウントに紐づけてログイン可能にする
・LINEでそのまま相談を受け付ける
・電話相談はフリーダイヤルに
などの改善が必要ではないでしょうか。
とりわけサイトデザインや電話の無料化は、人員増などの措置がなくても実現可能なはずです。
ついでに指摘すると、もう一つの相談窓口である「ひきこもりサポートネット」については、スマホ対応にすらなっていませんでした。
東京都ひきこもりサポートネット
https://www.hikikomori-tokyo.jp/
こちらは引きこもっている当事者(若者)そのものというより、その家族が対象ということもあるのかもしれませんが、それにしても今のスマホ普及率から考えれば、細かい点でも対応が必要になると思います。
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一方で今回のプランの中には、ここ数年での進捗が見られている点もありました。
総務委員会速記録第十五号(平成二十八年十一月二十二日)
https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/general-affairs/2016-15.html
上記議事録にも残っている二年前の委員会で、私が「若ナビの存在を、もっと情報プッシュ型のツールであるSNSを活用して周知していくべきだ」と提案しましたが、
「バナー広告を打つ」
などの答弁があるばかりで、前向きな姿勢は見られませんでした。
しかし今回の有識者による答申案の中には、「プッシュ型のツールであるSNSを通じて積極的に情報を発信していく」という具体的な姿勢が明記され、2年越しとはいえ私の提案が反映されたことは嬉しく思います。
とはいえ、時代は日進月歩で動いており、もはや(まあ当時からですが…)若者たちはSNSで情報を得るだけではなく、そのままSNSを活用してサービスを利用することが当たり前になっています。
行政というのはどうしても、こうした最新の動きをキャッチアップするのが苦手な構造になっていますが、「若者支援」をするためには情報化社会の進展に合わせて迅速に対応していくことが必要不可欠です。
引き続き、比較的若い立場にある(?!)議員としての立場からも、若ナビを始めとした若者支援対応の改善を求めていきます。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年7月10日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。