サラリーマンが起業すると最終的にどうなるのか?

内藤 忍

いわゆる「働き方改革」によって、会社で仕事をするいわゆるサラリーマンが減って、自分で仕事をする起業家が増えると予想します。

ただし起業家といっても、孫正義さんのような会社を成長させ、株式上場し、世界展開によって世界を変えるといった大きな野望を持つ訳ではありません。自分の好きなことを好きな人たちとやって自由な時間を手に入れたいといった動機の起業です。

私も遅まきながら48歳で起業し7年目に入りますが、後者の起業パターンです。会社員時代とはまったく異なる生活パターンと経済的余裕を手に入れることができ、更に自分のやりたいことだけをやれるようにしたいと、次の展開を日々楽しく考えています。

起業を始める最初の段階で重要なことは、とにかく売り上げを立てることです。会社の存在価値は利益だと思っていますが、最初から利益のある仕事だけ選べる立場にある人は少ないと思います。とにかく、取引してもらって、自分の存在をアピールする。そのためには何でも良いから仕事を取ってくることです。

だから起業家としてまず必要になるのは、営業力ということになります。営業のスタイルは様々ですが、とにかく売上を作れないことには、会社は始まらないということです。

売上を立てるのが第一ステージとすれば、利益にこだわるようになるのが第二ステージといえます。売上がある程度上がってくれば、評判を聞きつけ色々な仕事の依頼が舞い込むようになります。ここで、勇気をもって「断る力」を持つことが会社を次の段階に飛躍させることになるのです。

今までの人間関係も大切にしなければなりませんが、しがらみだけで仕事を続けていてもお互いにメリットが無いのも事実です。仕事を本業に関係するコアなものに絞り込み、時間やコストがかかる割に収益に結びつかないものは「選択と集中」で削っていく。それによって会社が筋肉質になっていきます。

そして第三ステージは、時間にこだわることです。時給で考えて、割に合わない仕事は削っていく。これによって労働時間を短縮していくことができます。究極は労働時間ゼロで収益が勝手に入ってくるビジネス(あるいは投資)です。

この段階になると、自分が稼ぐ起業家としての側面だけではなく、第二ステージの利益で得られた資金を活用して、「お金に稼いでもらう」仕組みを作ることもできます。

労働時間はできるだけ少なく、そして利益は出来るだけ大きく。その仕事も好きなことを好きな人たちとだけやれるものだけに限定する。ここまで来るともう最高です。

時間に縛られない生活が実現すれば、思い付きでフラッと2週間海外に出かけるといったことが、いつでもできるようになります。これはサラリーマン時代には得られなかった自由です。

起業してそんなに都合良くいくものなのか?と思われる方も多いと思います。しかし、私の周りには、そんな生活している人が珍しくないのです。稼ぐ人ほど、時間を自由に使えるライフスタイルを実現しています。

だったら、自分もそんな風になりたい!と思う人がまずやるべきことは、そんな自分の目標になる人の近くにいるようにすることです。周りにいる人の思考や行動パターンで、その人のライフスタイルは決まる。だから、自分を変えたければ、まず周りにいる人を変えることから始めるのが一番です。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年7月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。