ニコンはミラーレスカメラに再参入する。2017年に生産を中止したが市場が急拡大したことで方針を転換。高性能センサーを搭載した高級機を年内にも発売する。ミラーレスは、縮小するデジタルカメラ市場で唯一伸びが期待できる分野とされる。主要メーカーとしては最後発となるが、プロ向けの一眼レフで培った技術とブランドを生かし巻き返しを図る。
ぼくはニコンのミラーレスのVシリーズのユーザーです。一眼レフが重たくてさすがに辛くなってきたので乗り換えたんですが、これが駄目でした。センサーが小さすぎて、動いているものをシャッタースピード優先で撮ると、真っ白になります。
結局オートで撮るしかないんですが、これだとヘリのローターやプロペラ機のプロペラが止まって見えします。まあ、カメラマンじゃないんで、いかかと割切っている部分はあるのですが、最近欲が出てきてキャノンあたりのミラーレスに乗り換えようかと思っています。
本来ニコンはコンデジは諦めても上級機種の高級ミラーレスに進出すべきでした。ミラーレスは二の丸みたいのので、個々を失えば本丸の一眼レフの牙城も怪しくなっていくでしょう。が、業績悪化でできなかったわけです。
ところがこういう事態でも、ニコンという会社は将来性のない軍需部門を手じまいできないわけです。
ニコンは潜水艦や装甲車輌の潜望鏡を作っているわけですが、将来売り上げが大きくなる国内市場はない。しかも輸出はやりません、ウチは平和企業ですと宣伝する。スポーツ部門も4つ足の生き物を撃つスコープは売るけど、日本足用のスコープは売りません、ウチは軍用やりませんと断言しています。そのくせ、もう止めるといってた潜水艦用の非貫通潜望鏡の開発もするようです。
「平和企業」ならば軍需止めるのが筋でしょう。
会社が傾いたならば、赤字は出さないまでも将来に儲けや成長が見込めない分野は止めるか、事業譲渡するか、他社との合弁にするかなどのリストラを考えるべきです。それで浮いた人、物、カネを成長部門につぎ込むべきです。軍事部門は当然リストラ対象になるべき部門でした。
潜望鏡にしてもこれが中小企業であれば十分に利益を出せるでしょう。社長のやる気があれば輸出もできます。であれば事業売却や譲渡も検討すべきでした。
どうしても事業を継続するならば輸出に舵を切るべきです。ところが輸出をして「死の商人」と世論の批判は浴びたくない。だから潜望鏡の輸出はしないし、軍用のスコープなどのなどの開発も、輸出も考えていないという。これは経営陣の思考停止であり、当事者意識&能力の欠如です。
OBや国からあれこれ言われるのが嫌だから自分の代では手をつけず、問題先送り。経営者としては失格です。
東芝といい、NECといいい、危ない会社ほど防衛部門のリストラができない。
結局失われた20年とはいいますが、経営者が無能で経営の見直しや会社の意識改革ができなった企業が多かった、ということでしょう。
ぼくが投資家ならばこういう企業の株は買いません。
Japan in Depth に以下の記事を寄稿しました。
お勧めの本です。アベノミクスや「経済の専門家」が如何におかしいかよく分かります。
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2018年7月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。