「居眠りをさせないエアコン」より、昼寝を許す職場を

黒坂 岳央

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

先日、朝日新聞の記事に面白いニュースが取り上げられていました。まぶたの動きをシステムで監視し、居眠りしそうになる従業員を発見して部屋の温度を下げ、覚醒させるエアコンをNECとダイキン工業が共同開発すると発表した、ということです。2020年にも実用化する算段のようです。

ネット上ではかなりこの記事に対して反響があるようです。今回は記事を読んで感じたことをお話させていただきます。

ネットで反発を呼んでいる理由は?

このシステムの仕組みは次のようなものです。

パソコンの画面にカメラをつけるなどして、働き手のまぶたの動きを追う。まぶたの動き方に変化が出れば、眠気におそわれ始めたと判断。部屋のエアコンの設定温度を一時的に数度下げて働き手に刺激を与え、目覚めを促す。

引用元:居眠りさせないオフィス開発へ まぶた監視→室温下げる(朝日新聞デジタル)

上記・朝日新聞記事より

「カメラを使って社員の顔をチェックし、まぶたの動きから眠そうにしている社員を自動検出し、エアコンの温度を下げて起こす」というシステムです。社員の顔を認識するシステムはNECの技術が使われます。ちなみにNECの顔認証システムは世界トップクラスと言われており、同社は「米国国立標準技術研究所(NIST)」が実施した動画顔認証技術のベンチマークテスト(FIVE)において、照合精度99.2%と他社を大きく引き離す第1位の性能評価を獲得しています(NECのサイトより)。

世界トップクラスの顔認証システムと、人工知能を用いた高度なテクノロジーの結集が「眠そうにしている社員を見つけたら温度を下げて起こす」という従業員を監視するようなシステムに使われていることで、

刑務所監視感がすごい

昭和の根性論を感じる

働き方改革、ではなく“働かせ方改革”になっている

といったネット上の反発につながっているようです。調べてみましたがあまり支持する声を見つけることは出来ませんでした。高度なテクノロジーを持っているなら、もっと別の方向性で活用できたのでは?という事なのでしょう。

別の方法にはどんなものがあるでしょうか?例えば私は「温度の上げ下げより、二酸化炭素濃度を監視するシステム」などがいいのではと思いましたね。私も経験がありますが、人が密集して空気が悪くなるとどうしても頭がぼんやりしてきます。そんな時、窓を空けて空気の入れ替えをするとサーッと頭を駆け巡るような晴れ渡る感覚がしたものです。二酸化炭素が濃くなってきたら、空気の入れ替えを奨励するという事であれば従業員を監視するような感覚を持たせず、同じ空間で働く全ての従業員がメリットを享受できると考えます。

会社はパワーナップを容認して欲しい

米国のリーディングカンパニーでは「パワーナップ」が注目されています。パワーナップとは要するに15分から30分程度の昼寝のことで、職場で仮眠をとることで起床後のパフォーマンスを向上させましょうという取り組みのことです。

私は会社員時代に毎日パワーナップを取っていました。30分ほどで昼食と歯磨きを終えた後は、その後25分間は机の上でグーグー寝ます。起きた後はモヤがかっていた頭がものすごくハッキリとするのを感じて、居眠りの気配は全くのゼロでしたね。今でも午前中に全力で働いた後は、昼食後に少し寝るようにしています。

パワーナップなくして、一日中ずっとハイパフォーマンスで週5日働き続けるのはかなりの体力が要求されます。疲労がたまり、眠ければサッと15分眠る、これだけで高いパフォーマンスを維持できると思うので、昼寝を積極的に取り入れることには意味があると思うのです。

オフィスで昼寝を取りやすくする施策として、例えば昼休憩1時間を40分に圧縮し、どこか自分の好きなタイミングで30分昼寝をする権利を行使出来るようにするのはどうでしょうか?

このシステムは自動車に搭載して欲しい

眠くなると温度を下げて起こす、というシステムですが個人的にはぜひ自動車に導入してほしいと思いますね。

例えば自動車にこのシステムを取り入れて、冷たい風をまぶたに送風するなどで覚醒させるといった使い方は有用なのではないかと思います。私は日常的に車を運転していますが、長距離運転をすると眠気に襲われてひやりとすることがあります。そんな時に起こしてくれるシステムが入っていればいいなと思いますね。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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