「港区バブル」にはこれから乗っても遅くない

内藤 忍

1年くらい前から、私の住んでいる港区では、昭和のバブルが再来したかのような出来事が次々起こっています。

例えば、六本木にある焼き鳥店。決して超高級とは言えないお店ですが、男性の団体客がカウンターでシャンパンのボトルをポンポン開けながら、焼き鳥を食べている。恐らくITやフィンテック関係の新興企業の経営者グループではないかと勝手に想像しました。10万円以上と思われる会計をすると、2次会に行くためかわずか1時間ほどでお店から出ていきました。

このお店に限らず、六本木界隈では週末になると人気店は予約が取りにくく、街の賑わいも遅くまで続きます。叙々苑六本木本店では、夕方予約の電話を入れると「お席のご用意は23時半からになります」などと平気で言われます。何回転しているのでしょうか。

賃貸住宅の家賃も右肩上がりになっています。私の借りていたホテルレジデンスも、数年前の賃料よりも2割から3割上がっています。それでもネット上で検索すると空室がなかなか出てきません。良い方角の部屋は空室になってもすぐに埋ってしまいます。

東京ミッドタウンの向かいに完成したタワーマンション。売り物件のチラシが入っていますが、100平米以下なのに価格は約3億円。本当に買う人いるのかという値段です。こちらも、新築時よりも価格上昇しているようです。

都心の不動産はもう高過ぎという声もありますが、この「港区バブル」は昭和のバブルとは違い、すぐに弾けるとは思っていません。

まず、金利環境が違います。昭和バブルは金利が6%で賃貸利回りが2%以下という「逆ザヤ」状態。値上がりしなければ破たんする投資です。しかし、今は金利差がまだ3%前後確保できます。日銀が変節しなければ、2000万円のワンルームで年間50~60万円の金利差からの収益が得られるのです。

また、人口流入も続いています。その一方で都心のレジデンス物件の供給は減っています。単身者を対象とする区分物件の需給環境は、これから更に良くなる可能性が高いのです。

更に日比谷線の虎ノ門駅や山手線の新駅などの鉄道投資や、ビルや道路の建設工事が新興国のようにあちこちで進み、都心のインフラ整備による価値の向上は止まりません。

つまり、東京の都心で局地的に発生していると思われる「港区バブル」は、いわゆるバブルではないのです。だから、これから乗っても遅くない。これが私の結論です。

そこで、来月また六本木に区分所有物件を購入することにしました。8階のテラスからは六本木ヒルズが見える眺望の良い部屋です(写真)。

通常の賃貸用マンションの一室ですが、せっかくの眺望を単なるレジデンスとして貸すのでは勿体ない。一工夫して面白い実験をしようと企んでいます。実験結果は、
また「H氏セミナー」「ダブルM嬢セミナー」でもご報告します!

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年7月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。