その人の未来は電車の過ごし方に現れている

黒坂 岳央

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

「通勤電車」はネガティブなものとして捉えられがちです。特に夏の暑い季節は、近くの人の汗がベッタリと張り付き、かなりの不快指数ですし、会社に到着する頃にはぐったりする「できれば利用したくないもの」という対象として見ている人も多いのではないでしょうか。

「通勤電車に乗ること自体が人生のムダ」と称して、職場まで徒歩圏内に住む人も現れています。が、そうはいっても都心で働く会社員にとっては、避けようがないのがこの通勤電車。好む、好まざるにかかわらず会社にいくためには「乗る」という選択肢しかない人が圧倒的なのです。

さて、私は常々考えていることの一つに、「電車の過ごし方にはその人の人生の未来が現れている」というものがあります。同じことを経済学者の野口悠紀雄さんもTwitterでつぶやかれていたのを見つけて、大変共感しましたので記事にしました。

8割もの人が通学・通勤電車でスマホいじり

高校に入学した時から電車を使うようになった私は、20年近く電車に乗り続けてきました。途中、アメリカの大学に留学したときもシカゴのど真ん中に住んでいたので、CTAという鉄道サービスを使って通学や休日のお出かけは必ず電車に乗っていました。

長い間、電車に乗ってきた私は、時代の流れとともに電車の中の風景が大きく違ってきていると感じていました。昔は漫画や参考書を読む学生、新聞を読む会社員、ミニテトリスで遊ぶ若者など、電車の中でやることは

・本を読む

・ゲームボーイ

・寝る

・ボーっとする

など各人色々な過ごし方をしていました。ですが、今はその風景もすっかり変わってしまいました。インターネット調査のマクロミルによると、通勤・通学の電車内での過ごし方調査で8割以上が「スマホやタブレットを操作する」と回答しています。圧倒的大多数の人がスマホを使って通勤電車の時間を過ごしているのです。

体感的に「スマホを使っている人本当に多いな」と思っていたのですが、この調査結果を見ると思っていた以上の利用率で驚かされましたね。

往復2時間、週10時間、月40時間、年480時間

片道1時間の電車に乗るのであれば、一日で2時間、週10時間、月40時間、年480時間もの間電車に乗っている事になります。更に遠方から学校や職場に通っている人は、この時間は更に長いものとなります。

この移動時間をどう取り扱うか?それはそのままその人の「人生をどう生きたいか?」という人生観の現れです。

通学・通勤電車は目的地に到着する時間を短縮することは出来ませんし、大抵の場合は混雑していますから出来ることは限られています。やることが制限されている密閉空間ではあるものの、この時間も貴重な人生のカケラであり、紛れもない限られた人生の時間なのです。

それをただただ電車に体を乗せて、揺られるに任せるのか?
スマホゲームに熱中するのか?
もしくは勉強などの自己研鑽に充てるのか?

それは個々人の裁量に任せられており、誰からも強制されるものでもありません。だからこそ、その人の価値観は全部電車の過ごし方に現れている、と思わされるのです。

そしてその積み重ねた時間の先には未来があります。積み上げた日々の電車の時間が年単位になると、どう過ごしたか?というのは大きな差になります。

ビジネス書などでは

1000時間やれば専門の入口に立てる

3000時間やればそれで飯が食える

10000時間やればプロフェッショナルになれる

と言われています。片道1時間の電車を2年やれば1000時間、6年過ごせば3000時間になります。これだけの時間をなにか有意義な事に充てれば、それは人生変わるといっても過言ではないと思うんですよね。

参考までに1000時間の勉強時間で取得できると言われている資格は

・行政書士

・簿記検定1級

であるという見積もりをする人がいます。この見積もり通りで話を進めれば、なかなかの難関資格を取得することができることになります。

もちろん、問題を解かなければ実力がつかない試験もあるので、電車内だけで取得できるわけではありませんが、復習などは電車内だけでも十分出来ると思うわけです。実際、私は英検準1級と1級の勉強は電車内だけでやりました。単語の暗記や、長文問題などをひたすら解き続けて合格、英語の勉強は他の場所でもやってきましたが英検の試験対策はほぼ電車での移動時間だけでしかやりませんでしたから、かなり価値のある時間を過ごせたのではないかと思います。

私は学生時代、「一緒に帰ろう」という友人の誘いを断り、片道1時間半を一人で過ごしていました。なぜかというと貴重な勉強をする時間に充てたいと思っていたからです。

有意義な電車での移動時間を積み重ねれば、年単位で見るととてつもない財産になるのです。電車の中で頑張って自己研鑽に励んでいる人は少ないのです。だからこそ、そうした人は他者に大きく差をつけることになります。私は電車の中で頑張っている人を見ると思わず応援したくなってしまいます。

「電車の移動時間もムダにせずに有意義に使いたい」という時間を大切にする価値観は成功できる人物の条件であり、一生懸命電車内で自己研鑽をしている人には、輝く未来が待ち受けている可能性があります。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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