選択式・択一式試験の合格法

無料音声配信Himalayaで行っている「荘司雅彦のコミュニケーション講座」に、リスナーの方から社会保険労務士試験対策の相談が寄せられた。
コミュニケーションとは関係ないが、得意とする「勉強法」の分野なのでできる範囲でお答えした。

社会保険労務士試験の問題を調べると、すべて「選択式」と「択一式」で論述問題はない。
そこで、まずは過去問を徹底的に回すことをアドバイスした。

過去問に関しては、いまだに「過去に出題された問題が出ることはないから重視する必要はない」という根強い意見がある。
しかし、出題者の立場になって考えると、過去の問題を参考にして“同じような問題”を作成するのが一番無難だ。
奇抜な問題は考えるのが面倒だし、後で「悪問だ!」というバッシングを受ける恐れもある。

結局、過去の問題と同じような問題を作成することになる(知識問題によっては、そっくり同じ問題を出すこともある)。
本試験で出題される問題と類似の過去問を何度も回すことが、選択式・択一式試験合格への最短コースだ。

「何度も回すと回答を憶えてしまうから意味がない」という批判もある。
憶えるくらい回すくらいがちょうどいいと私は考えている。
知識問題で条件反射的に回答が出てくれば、(本試験でも)時間の節約になる。
また、人間の記憶は当てにならないので、回答を憶えてしまうくらいで、ようやく記憶が定着するものだ。

何度も回したら、直前にしっかり復習できるモノ(テキストや問題集など)を用意しておき、前日に一通り、二通り確認する。
「直前にバタバタしても無駄だ」という意見もあるが、一夜漬けで学校の試験を乗り切った人がたくさんいるはずだ。
直前に確認した事項が最も記憶が新鮮で、本試験で出題されれば心強い。
睡眠等はしっかりとる必要があるが、一通り二通り復習するだけで点数が伸びる可能性は極めて高い。

要するに、ペーパーテストは、試験当日に提出した答案が合格最低点を上回っていればいいだけのことだ。
それ以上の努力や精神論は一切不要だ。
本試験で合格最低点以上の答案を提出できるよう準備すれば、それで十分。

安心して本試験のコンディションを整えよう。

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荘司雅彦
講談社
2014-02-14

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年8月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。