広島原爆忌に日本の核武装を訴えられる人は、如何なものか

早川 忠孝

私も北朝鮮の非核化は極めて難しいだろうと思っている一人である。

北朝鮮が日本に対して核を行使する可能性を極限まで低くすることは十分に可能だと思っているが、しかし、北朝鮮が自発的に核の開発を中止する可能性は殆どない。

そういう状況を踏まえて、北朝鮮の核を封じ込めるために、本も核の開発をすべし、と声高に主張される方がおられる。

核抑止力のために核を持つべし、という議論だ。

日本の防衛を真剣に憂えておられるいわゆる愛国者の方々からこういう声が澎湃として湧いてくると、自民党の国会議員はこの声に抗うことが難しくなる。

際限のない軍拡競争になっていくだろうから、私は日本の核武装には反対である。

裸で日本を守れるのか、などと非難されるだろうが、私は、日本には外交手段で国を守る術しかない、と思っている。アメリカ、中国、ロシアの三国で北朝鮮包囲網を作ってもらい、北朝鮮の核を封じ込めるしかないと思っている。

日本の核武装には中国もロシアも反対するだろうし、アメリカも最終的には反対するはずだと思っている。

今日は、広島原爆忌。

あの時の惨禍を二度と繰り返したくない、というのが大方の日本国民の願いであり、世界の人々もそう願っているはずだ、と思っている。

北朝鮮は日本とは異質の国であり、確かに北朝鮮の核は怖い。
しかし、日本が核武装したからと言って、それで北朝鮮の核の危険が除去されるわけではない。

ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ。
私たちが目指すべきは、核のない世界である。

日本の核武装は、日本の国策としてあり得ない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年8月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。