デキル女性社員はやっている?自己チュー男性を手なずける

画像は書籍書影(筆者撮影)

ビジネス心理学をご存知だろうか。よく知られているものに、アサーティブ、フレーミング、バーナム効果、コールドリーディングなどがある。心理学は「人問心理を解き明かすもの」だが、知っているだけでは役にたたない。大事な場面で、「使える」という実践的なレベルにまで高めておかないと、中途半端な知識で終わってしまう。

今回は『モテすぎて中毒になる男女の心理学』(すばる舎)を紹介したい。著者は、神岡真司さん、累計140万部を超すビジネス心理学の専門家として知られている。主要著書としては、30万部ベストセラー『ヤバい心理学』(日文新書)がある。

親しくなるには占いに精通すべき

――神岡さんは、男女の関係が近づく心理テクニックとして、女性に急接近する秘訣は「占いに精通すること」だと解説する。これはどういうことか。

「男性脳は、原因と結果、物事の始まりや結論などを論理的に分析するのを好みます。ゆえに、きちんとしたデータが説得材料になるのです。女性脳は、プロセスにおける共感重視です。自分のことがどう思われるのか、どんな過程で物事が形成されたかに興味を持ちます。男性が、確たる根拠のない『占い』の類を好まないのに対し、女性が概して『占い』好きなのは、こうした思考習慣の違いがあるからです。」(神岡さん)

「女性と仲良くなりたい男性は、女性に対して、『占いなんか当たらないよ』などと切り捨ててはいけません。女性を敵に回すようなものだからです。『ぼくも占いができるよ。占ってあげよう』といい、明るい近未来を断じてあげるべきです。『お金に困らない人生だ』『幸せな結婚ができる』などと予言されれば嬉しくなります。」(同)

――人は嬉しいことを保証してくれる人に傾倒するものである。相談に乗るうち、女性の依存心がみるみる男性に寄せられることは予想できる。

自在に動かす「軽ホメ」とは

――神岡さんは、女性の謝罪は、男性のメンツが保たれるので効果的だと解説する。これは表面上で構わない。要は、「オレは問違ってないこと」を認めてやり、受け流すだけでいい。次に、軽くホメてから、頼みごとをすることが効果的だ。

<文章を見てもらいたいとき>
女性「山田さんって、文章うまかったですよね。この挨拶文、見てほしいんですけど」
男性「どれ、貸してみな。挨拶文は定型があるんだよ。それを押さえることが第一だ」
女性「山田さんってステキ!!」

<重いものを運んでもらいたい>
女性「山田さんて、力持ちでしたよね。この荷物を倉庫まで運んではしいんですけど」
男性「え?どれどれ、ああ、これで全部か?よっしや、運んでやらあ」
女性「山田さんってステキ!!」

――ホメのセリフを間いただけで、「男性脳」は、瞬間的に気持ちよくなり、すぐに肯定的な反応を返すようだ。また、自己チュー男性には、わざと逆らうような態度をとる人もいる。自分を重く見せたくて、簡単に「OK」といわない性分の人だ。自己チュー男には、「逆らわずに、ホメてから頼む・逆説で攻める」が鉄板になる。

自在に動かす「逆説話法」とは

<企画書の検討の通常パターン>
女性「コレ、A社の企画書ですが、見積もりが一番安くていいと思うんですけど……」
男性「どれどれ、何だこれは?こんな杜撰な見積もりのどこがいいってんだよ」
女性「だめですか?でも、B社とC社の見積もりは、すごく高いですよ」
男性「バカ!安けりやいいってもんじやないだろうが。何を基準に選んでんだよ」

――社内に居ないだろうか?必ず最初にNOと難色を示すのがクセになっている、こんなへそ曲がりの男性社員が。このような場合は、逆説で攻めると効果的だ。

<企画書の検討の逆説パターン>
女性「コレ、A社の企画書ですが、見積もりが安すぎてちょっと不安なんですけど……」
男性「どれどれ、いいじやないか。安いのが一番だ。何が不安なんだよ。コレでいい」

本書は、男女の関係に特化した心理テクニックが紹介されている。 恋愛、夫婦問題、仕事のベースも人間関係によるもの。面倒な異性を黙らせ、社内で評価されるには心理学を理解しておきたい。心当たりのある方には早めの処方をおすすめする。

尾藤克之
コラムニスト