読解力は現代人に必須のスキル!

「正解は問題文の中にある」
何十年もの間、大学をはじめとする受験界の現代文の解法として、言い伝えられた言葉だ。

考えてみれば当たり前のことだ。
問題文を素材にして設問が作られている以上、問題文から外れた解答を正解にすることはできない。
もしそのようなことをすれば、受験生は何を書いても自由ということになり、点数は採点者の主観に委ねられてしまう。

公平な採点基準を作成するためには、問題文の中に「正解」があり、設問は問題文の中に埋もれている「正解」を導き出すことができるか否かを試しているのだ。
「傍線①は何を意味するか?」という設問に対しては問題文の中から探すしかなく、自分勝手に考えた内容を書いたのでは正解にならない。

そもそも現代文の「論説文」の試験は、問題文を「解読する力」があるか否かを試すものだ。
「この文章は何を伝えているのか?」を正確に理解できるか否かを試している。

「この文章は何を伝えているのか?」を理解できなければ、正確な「読解」ができず、学術文献などは言うに及ばす、自分宛てに届いたメールや提出された報告書の内容を把握することすらできない。

今日の社会生活において、口頭でのコミュニケーションの比率が減少し、文書でのコミュニケーションの比率が増大している。
取引先から届いたメールを、正確に「読解」できなければ仕事にならない。
私生活においても多大な支障が生じるだろう。

文書を書く時にも、正確に相手に伝わる文書を書く必要がある。
友人同士のLINEなどだと問題はないが、仕事上のメールなどは過不足なく書く必要がある。
「そのくらい分かってくれよ」は通じないし、余計なことを書くと自分にとって不利な証拠になってしまう。

最近、中学受験で国語の能力を重視する学校が増えたと耳にしている。
おそらく、書面によるコミュニケーションが増えたことに起因しているのだろう。
中学受験国語問題の読解法はそのまま大人が読解力を養うのに役に立つ。
今回の音声配信は、「国語が苦手な中学受験生の母親からの相談」だ。

文章の意味を把握するのが苦手な人は、是非参考にしていただきたい。

受験手帳
荘司雅彦
PHP研究所
2011-12-22

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年8月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。