こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
本日(8月28日)は「日独ユースサミット」という学生交流プラグラムの一環で、日本とドイツの学生たちが都議会議事堂に訪れました。
今回のテーマは「情報社会と多様性」ということで、情報化社会の進展やAIなどのテクノロジーによって政治や社会がどう変わっていくのかがテーマとのこと。
そこで、情報公開やネット発信・ITに比較的明るい(とされている)私に白羽の矢が立ち、都議会案内と講義の依頼を受けた次第です。
まずは本会議場を案内。
「議場にはPCなどのデジタルデバイスが一切持ち込めない。スマホもダメ。傍聴人にもこの規定は適用されるので、議論を聞いているときに疑問点を調べることもできない」
という話をした段階でびっくりされ、
「でも今年の春までは、建物の中や委員会室でタバコが吸えたんだよ」
と言ったら、マジ驚愕!みたいな反応でした。
色々と理由を聞かれたものの、合理的な説明をするのは難しいですね(苦笑)。古い議員が多くて、彼らの常識ではそうなっていたのだとしか言いようがなく…。
その後は会議室で講義&ディスカッション。
私からは政治と情報発信、とりわけネット活用について、伊藤陽平新宿区議からはAI・ICTを使った議会活動について話しました。
私たちのように、ネットやICTの積極的な活用・導入を政策として主張し、また政治活動にも活かしている若手議員は少数派だという話をすると、
「ドイツから見ると、日本はテクノロジー先進国だというイメージがある。議場にデバイスが持ち込めないなど、イメージとのギャップに驚いた」
との声が上がりました。また一人の男性学生が、
「ドイツでは若者が新しい技術を開発して何かをやろうとすると、すぐに『個人情報保護が…』『安全性が…』という横やりが入って潰される。これでは新しいことをやろうという気にならない。スタートアップが盛んなアメリカ等が羨ましい(要旨)」
と熱弁していたのが印象的でした。
「新しいもの」「テクノロジー」に対する抵抗は、日本もドイツも一緒なんですね…。
そういえば以前にエストニアに視察に行ったときに、ネット投票などの先進事例は他のヨーロッパ諸国で取り入れられないのか?と聞いたところ、
「ドイツやフランスなどの大国はテクノロジーに非常に懐疑的・保守的だ。むしろ我々は先進国の中では、日本がもっともそれに対する抵抗が少なく、導入可能性があると思っている」
と言われたことを思い出しました。歴史ある欧州の「伝統的価値観」というのは、我々が傍から見ているより頑迷なのかもしれません。
日本とて、特に政界上層部の理解の乏しさは大きな課題であると思いますが、若手議員たちから流れを変えていかなければなりませんね。
都議会議事堂に来てくれた日独の学生の皆さま、ありがとうございました。我々のお話が少しでもプログラムの参考になれば幸いです。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年8月28日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。