サラリーマンだけが「オワコン」なのか?

BLOGOS上でかさこさんイケハヤさんが、「サラリーマンはオワコンか」に関して熱い議論を行っています(そもそも噛み合っていないので、議論とは言えないかもしれませんが)。

※オワコン=終わっているコンテンツ

私の結論は、サラリーマンを「オワコン」にするかどうかは、その人次第で決まる、です。

確かに働き方革命や、AIといったテクノロジー、さらにグローバルな労働市場の広がりによって、イケハヤさんの言うような流れが来ていることも良くわかります。

イケハヤさんの【サラリーマンがオワコンな理由】
・若い世代の給料が絶望的に低い
・ワークスタイルが不自由
・部署や勤務地を選べない
・上司や同僚を選べない
・クソ上司に当たったら終了
・やる気ない社員がいる
・未だに電話とメール中心
・通勤必須

しかし、全てのサラリーマンが上記のような仕事をしている訳ではありません。若いながらやりがいのある仕事で高い給与を得て、自分のやりたいことを組織というインフラを巧みに活用して、サラリーマンの立場を最大限に活用している人も少ないながら存在します。

仕事のやりがいに関しては、サラリーマンと自営業では方向性が異なります。

サラリーマンは組織を動かして、チームで大きなプロジェクトを動かしていく醍醐味が味わえます。一方で自営業は規模は小さくなってしまいますが、自分で全てのリスクを被って、自分のやりたいように仕事を進める楽しさがあります。

安定感という点ではサラリーマンの方がメリット大きいと思いがちですが、組織の中で自分のスキルが劣化し、会社に人生を完全に依存してしまうリスクもあります。大企業といっても、いつ倒産したりリストラが始まるかわからない時代です。

仕事以外の大きな違いは、休暇と信用です。

自営業になって一番大きなメリットは時間が自由になることです。平日にまとまった休暇を取ったり、月に2回海外に遊びに行ったりということはサラリーマン時代には考えられませんでした。自営業でも時間の自由が無い人もいますが、自営業の方がコントローラブルであることは事実です。

そして、最後に忘れてはいけないのは自営業になると「お金を借りる力」が無くなることです。

起業すると、3年間黒字決算して、その決算書を銀行に見せないと、投資用のお金は借りられなくなります。

大企業のサラリーマンを辞めて起業する人には「辞める前にお金を借りるだけ借りて、不動産を買いなさい」とアドバイスしているのは、自営業になるとサラリーマンの看板が使えなくなるからです。未だに銀行はサラリーマンの価値を高く評価しているのです。

サラリーマンが「オワコン」かどうか?という一般論には意味がありません。

サラリーマンに「オワコン」がいるように、自営業にも「オワコン」はたくさん存在するのです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年8月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

 

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。