こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
過日に取り上げました、難病児童の保護者の方が立ち上げる福祉施設に、自分の子どもを通わせることができない問題について。
東京都の「独自ルール」運用に大問題が判明!療育・児童発達支援施設の入所基準見直しを
転載先を中心に多くの反響があり、私が書いた記事だけでも10万アクセス近くが集まりました。
本件はもちろん私だけではなく、自らも障害を持つお子さんを育てている龍円都議や、公明党都議の先生らがすばやく都に対して改善の働きかけを行っていたところです。
そして本日、最新のガイドラインが正式に発表されました。
赤線は筆者強調です。新たに追加されたのは、下記で囲った部分。
これまで、障害児が通所する事業所に、その保護者が職員として勤務することで、他の利用者や第三者から見て公平性に欠けるとの指摘や、給付費の請求が不適切な事例等がありました。障害児通所支援事業所は、地域の障害児や家族からの信頼を得ながら、継続的に適切な支援や事業所運営をしていくことが重要です。
このため、客観的に利用児童の状況を判断して、個別支援計画を立てる児童発達支援管理責任者や、直接支援を行う児童指導員に、その保護者を配置する際は、利用児童に対する接し方や対応の違いなどが起きないよう事前の準備が大切です。
以上のことから、透明性の確保や公平性を担保するための具体的な事業所の運営方法や、取組、計画等について、確認させていただきます。
行政文章なので、なかなか回りくどい表現になっているのですが(苦笑)。
これまで不正があった背景などを説明しつつ、一定の条件を確認すれば保護者が運営者・職員であっても、その子どもが当該施設に通うことを認める内容になっています。
詳細の資料はこちらから全文がご覧いただけます。
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医療的ケア児預かる施設 13トリソミー児の母が開設へ(朝日新聞)
昨日も朝日新聞でやはり、類似のケースが記事として取り上げられていたところでしたが、本ガイドラインはすぐに適用されるとのことで、これから開設される施設では解決に向かう見込みとなります。
今回はネットに投稿された当事者のブログが話題を呼び、それが政治家(都議)の元に届き、行政への素早いアプローチが行われ、結果としてスピード解決した好事例となりました。
行政や議員が見過ごしていて、当事者だけが把握・直面している課題というのはまだまだ沢山あると思います。
少し前にツイートしたこちらの件も、指摘を受けて関係各所に私から連絡を行い、現在は前向きな方向で解決に進んでいると聞いています。
すべての件が今回のように運ぶとはまったく限りませんが(というより正直に言えば、そんなにすぐに解決することのほうが少ないのですが…)、ぜひ皆さまも気づいた行政課題について、諦めずに近くの議員に届けてみてください。
政策を立案したり、予算を差配するのが議員の大きな仕事である一方、こうした行政の「バグ」を発見し、修正していくのも私たちの役割です。
引き続き微力ながら、力になれることがあれば幸いです。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年9月7日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。