仕事を辞めずに続けながら英語を身に付けるから価値がある

こんにちは!黒坂岳央(くろさか たけを)です。
※最近Twitterはじめました(@takeokurosaka)。

「英語を身に付けたいから退職して勉強に専念したい」という人はかなり多いのではないでしょうか。過去記事でもそれについて詳しく取り上げています。

自分も過去に、「仕事を辞め、思い切り英語学習にコミットできれば…」という気持ちを持っていたので、そのように考える気持ちはよく分かります。当時の私は生活をしていくために派遣社員をしながら、勉強をするしかありませんでした。周囲は学生で勉強に集中できる環境があり、とてもうらやましかったのですが、働きながら勉強をして力をつけたことで、大きな自信に繋がりその後の人生にもプラスになりました。

「退職して留学したい」
「正社員から派遣に切り替えて時間を作って勉強をしたい」

と思うあなたに有益な情報になればと思い、この記事を書いています。

その頑張りは誰かが見ている

仕事や勉強は結果が全てという厳しい世界です。

いくら努力したところで、結果がでなければ評価されることはありません。「約束通り目的地につけなかったけど、頑張ったからお金を払うよ」とタクシードライバーにお金を払うお客さんはいないのです。

しかし、同じ成果を出した場合でも、ハンディや逆境を乗り越えてたどり着いた場合は、大きく評価されることは現実にある話です。私が務めていた会社で50代の部長がいました。彼は50代になるまで英語とは無縁、外資系企業ではあるものの働く部署は英語力を必要としなかったのです。

ところが、そんな安寧が破られる時が来たのです。大きな経営改革が訪れ、「課長以上は今後3年以内にTOEICスコアを700点以上にしないと降格」と通達がなされました。それを聞いて社内は騒然、みんなが「英語!TOEIC!」と言い出したのです。その部長の上司は外国人になり、仕事の進捗報告やメールの送信、会議すらも英語一色、同じ状況が訪れた部長の同僚は異動か、「こんな会社に勤めていられない!」と退職していってしまいました。

50代である日いきなり英語を使わなければいけない状況に落った彼は諦めませんでした。自宅で高校生の娘に「お父さんなんで英語やってるの?(笑)」と笑われながらも、片道2時間以上、往復で4時間半もの通勤時間を英語学習にあて、休日は丸一日勉強、1年間猛烈に勉強をしました。わずか1年でTOEIC300点程度から一気に900点までアップさせ、会社はその頑張りに拍手を送りました。「忙しい中、よく頑張った」と人事評価で最高ランクを受け取り、彼は大きく昇進したのです。

こうした話はこれまで数多くありました。ある人は会社員を続けながら難関資格を取得し、転職時に、「よく仕事を続けながら取得しましたね!」とそのメンタルタフネスを買われて、重要ポスト採用された話もあります。採用する側も感情を持った人間、ハンディを乗り越えた人間に称賛や尊敬の念を抱くことは人として普通なのです。

彼は50代という年齢と、忙しい部署で働きつつ、往復の通勤時間が長いという数々のハンディを乗り越えたことで、大きく飛躍することができたわけです。

ハンディは成功した時に大きな価値を生む

ハンディを背負いながら成功を収めた時、それはとてつもない輝きを生み出します。

私自身、お金がなかったことで語学留学にいけず、そして根性が足りずに英会話スクール通いが続きませんでした。しかし、それが後ほど「読むだけ英語学習法」にたどり着くきっかけになり、今では英語学習本を出版することになりました。これは「災い転じて福となす」と表現できるかもしれませんね。

また、私は英語ビジネスだけでなく、フルーツギフトショップを経営しています。ショップを立ち上げる時は、会社員を続けながら週末起業で、広告宣伝費0円、楽天やAmazonへの出店なしという逆境にありました。しかし、マーケティングにお金をかけないハンディを乗り越え、目標としていた売上規模にたどり着くことが出来たのです。その実績を買われ、講演を頼まれたり、ビジネス記事の執筆の依頼を受けたりと、ビジネスチャンスが舞い込むようになりました。

ネットショップの世界では、「広告費をかけ、モール出店をするのが常識」です。実際、ほとんどのネットショップが広告とモール出店を当たり前のようにして販売しています。しかし、常識的に売って成功しても、そこには驚きも学びもありません。当たり前すぎるからです。しかし、あえてハンディのある状態で、逆境に挑戦するからこそ、そこにはドラマが生まれ、自身の成長につながるのです。

あなたが英語学習に集中するために、仕事を辞めて勉強に専念し、語学留学へいって英語力を付けてもそこには人の心の琴線に触れるドラマはないのです。逆に仕事を辞めて英語学習に集中しても成果を出せなかったら、「それでも成果が出せなかったこの人は能力が低いのでは?」と徹底的に環境を整えたことが悪印象になってしまいます。

ハンディを負っていることに誇りを持ってほしいと思います。忙しい中、時間を捻出してなんとか成果を出すからこそ、カッコいいんじゃないでしょうか?

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。