安倍ちゃんがだらだら消費税引き上げ先送りするもんだから社会保険料の引き上げが止まらず、いまや組合員の払った保険料の実に4割が高齢者医療にカツ上げされている状況だ。
おかげで企業の健保組合が死に体になってるよという話は各種メディアで報じられている通り。
とうとう健保連の偉い人まで出てきて窮状を訴えているのでサラリーマンはよく読んでおこう。普通なら絶対表には出てこない人たちだから。
【参考リンク】75歳以上の2割負担実現を=国民皆保険「崩壊の危機」-健保連副会長インタビュー
高齢者医療費は税金で賄うか、現役世代の保険料を上げるか、自己負担を増やすか、3択だ。
現役世代の事業主負担分も含めた実質的な負担はすでに4割を超えていて江戸時代の農民並みの負担だ。小作農並みの負担にされたくなかったら高齢者の自己負担分を増やしつつ合わせて消費税も引き上げるしかない。
【参考リンク】2019年の年金大改悪 給料の60%超が天引きされる異常事態も
健保連副会長のインタビューでは消費税の10%以上への引き上げにも言及されている。
-消費税については。
アップは不可避だ。早く10%に引き上げ、その次のステップを考えてほしい。
はっきりいって責任ある地位についている人たちの中で「消費税は10%でオッケー」って考えている人はいない。20%前後の引き上げはもう時間の問題だ。
だったらどうすべきか。できるだけ速やかに上記2つの手を打って少しでも引き上げ額を抑制するのがベストだろう。
ついでに言うと、高齢者の自己負担を増やしたり消費税を上げることには、高齢者自身の意識を変えるという効果もある。今までは無自覚だったのは「別に増税なんてしなくてもなんとかなってるじゃん」と彼らが流してきたからで、実際に自分たち自身も負担が増えることで「社会保障そのものを見直そう、無駄を省こう」という気運が高齢者自身の中からも盛り上がってくるはずだ。
でもまあわかりますよ、世の中には「現実よりも自分の見たいものしか見ない」人たちが一定数いるってことも。
そういう人たちは、東大とか一橋とか慶応で現役で研究している教授の話は聞かないけれども、聞いたことない大学のセンセイとかネット初の胡散臭い珍説を読んで「国家の借金は国民の資産!」とやるのが好きってことも。
でも過去それを続けてどうなったか。
08年に後期高齢者医療制度が始まって10年がたった。この間、従業員1人当たりの年間収入は約4万円減ったが、天引きされる保険料は10万円超増えた。そのうちの6万円以上は高齢者医療への負担金だ。
いい大人なんだから、そろそろ「見たいものだけ見る」人生とオサラバした方がいいんじゃないですかね。
編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’s Labo」2018年9月28日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。