秋の味覚の代表といえば「きのこ」。しいたけ、しめじ、まいたけ、えのき、なめこ、など多くの種類がある。「きのこ」に共通するのは低カロリーで食物繊維が豊富であること。ダイエット中の方や、便秘がちな方におすすめしたい食材ともいえる。
「食べれば食べるほどお腹が凹む!そんな夢の食材がきのこです」。そう答えるのは、管理栄養士、健康運動指導士として活動している、菊池真由子さん。今回は『食べれば食べるほど若くなる法』(三笠書房)を紹介したい。
きのこをおいしく食べる「菌活」の効果
菊池さんは、「菌活」を推奨している。それはなにか?「菌」は訓読みで「きのこ」。つまり、きのこは「菌」をまるごと食べられる点が最大のメリット。「菌活」とは、体によい働きをする菌をまるごと食べることである。
「中年太りというイヤな言葉がありますが、そもそも、なぜ年をとるとお腹が出てしまうのでしょうか。『基礎代謝が低下するため、摂取した食べ物を十分に消費できなくなるから』『成長ホルモンの分泌が少なくなるため、脂肪を燃焼する力が低下するから』といったことが主な原因です。いずれにせよ、年齢とともに太りやすい体に変化していくため、なんらかの対策が必要になります。」(菊池さん)
「簡単なのは、きのこをおいしく食べるだけの『菌活』。それだけで、太らない体に若返ることができます。きのこ類全般は、1パック(平均100グラム)で約20キロカロリーと、超低カロリー。カロリーを気にせず食べられるうれしい食品です。これだけでもダイエット効果があります。しかも、きのこは食物繊維が豊富。きのこから摂取した食物繊維が腸にたっぷり入ると、腸内環境が一気によくなります。」(同)
食物繊維は直接便秘の改善・解消に役立つ。食物繊維が善玉菌や有用菌を増やすことで、腸を良好な状態にすることが可能になる。さらに、腸内で善玉菌が増えていくと、代謝が上がるためダイエット効果がアップするとのこと。
最近注目される「キノコキトサン」
「最近注目されているのが『キノコキトサン』です。キノコキトサンは、脂肪の吸収を抑えて排出を促す働きがあります。きのこ類の中でもエノキダケに多く含まれています。エリンギ、マイタケにはビタミンB群が豊富。ビタミンB群が十分にあると炭水化物、タンパク質、脂肪の代謝がサポートされ、余分な脂肪を体にため込まないようになります。ビタミンB群はダイエット効果と若返り効果をもたらします。」(菊池さん)
「逆に、ビタミンB群が不足すると、太りやすい、疲れやすいといった、老化の症状が現れます。きのこ類は、味噌汁として食べるのがおすすめです。味噌には『こうじ菌』が含まれています。きのこ類には種類ごとに持つ菌が違います。複数の菌を混ぜて一緒に食べることで、「菌活」の効果はグンと高まります。」(同)
味噌汁に合うといえば、なめこ、えのき、しめじ。さまざまな種類のきのこを味噌汁に入れて、いただきたいものである。菊池さんは、きのこの「菌」は3日程度で排出されてしまうので、少なくとも3日に1回は食べておきたい食材だと語る。秋の夜長、美味しく健康的な、きのこライフを楽しみたい。
尾藤克之
コラムニスト
『即効!成果が上がる 文章の技術』(明日香出版社)
※10月15日上梓の拙著ですが出版後1週間で重版しました。心より御礼申し上げます。