元港区議の益満寛志です。
豊洲市場開場初日、朝から仕入れの手伝いということで市場に行ってまいりました。
(※一般客は13日から開放です)
同行したのは港区・高輪台駅の近くにある老舗寿司店「菊寿司」店主の気さくな江戸っ子大将、浦崎宏吉さん。
とても美味しい寿司がリーズナブルにいただける店です。お勧めですよ!
さて朝6時過ぎに豊洲市場に到着しました。
事前情報だと「渋滞するのでは」との危惧がありましたが、市場の入り口までは案外スムーズです。(その後、フジテレビ中継車が1車線占領した影響でとんでもないことになりました)
入り口付近にはマスコミ関係者が大勢おり、もはや訪問者より多いのでは?という状況。
困ったのはこの後です。
市場の中は多数の車が右往左往で大渋滞。
空いている駐車場がないのです。
関係者用の駐車場はごく限られた数しか用意されておらず、抽選で当たらなければ借りられません。
仕方なく別地区にある時間貸し駐車場に行ったのですが、これが実に遠く、仕入れにも響きそうです。
料金は30分300円。六本木ヒルズと同じ値段です。
市場内には路駐の車や自転車で溢れていましたが、それも仕方がないと思わせる駐車・駐輪場のキャパシティです。
東京都のホームページでは「十分な駐車場」とアピールしていますが、実際の利用シーンを考えない机上の数値です。要改善でしょう。
さて水産仲卸売場に入ります。
特に混乱もなく淡々と商いが行われていました。
新市場で使い勝手も悪いだろう中で、さすがプロだなと思わせる捌きです。
浦崎大将も馴染みの卸で久々の寿司ネタを仕入れていました。
ですがよく見ると、細かい点で気になるところは多数あります。
先ほどの東京都のホームページに「商品の温度管理(コールドチェーン)」とあり、確かに建物内なのでその通りなのですが、実際は開閉式の防風シャッターがほぼ開きっぱなしな状態でした。
夏場はちょっときついだろうなぁ、と思わせるものです。
市場内の湿度も体感だと高めでした。
カビが生えるのではないかという懸念が出ていましたが、ありうる気がします。
初日にして床の汚れ方もなかなかの豪快さでした。
排水設備がイマイチなので、掃除も大変そうです。
これはネズミの移転も間近だろうなと思わせるものでした。
排水溝が絶好の住処になりそうです。
全体的に「ターレ」という独特な乗り物がハイスピードで行き交い、雑然とした感じが作り上げられた風は「あぁ、ここのスピリットは築地なんだな」と(良くも悪くも)思わせられました。
吉野家などの築地場内にあった飲食店も新装オープンです。
人気寿司店「寿司大」は行列。
あれ、今日は一般客ダメなんじゃない?と思うのですが、特に入り口でも制限がないので、普通に人が入ってきていました。
店の雰囲気はどことなく味気がありませんが、新築なので仕方がありません。
市場関係者の皆さんには、ぜひ豊洲を使いこなして、これからも美味い魚を提供し続けていただきたいものです。
ところで仕入れがひと段落し、外に出たところ、豊洲市場を貫く道路「都道補助315号線」が大渋滞していました。
随分と先まで車がつながり、ほとんど動かない状態です。
よく見ると、豊洲市場の正面玄関の信号手前に高いアンテナを伸ばしたフジテレビ中継車が1車線を占領する形で鎮座しています。つまり2車線のところ1車線が占領され、すぐに信号があるものですから、後続の車が詰まって渋滞するのも道理なのです。
ちなみにフジ以外の中継車は近隣の駐車場に停めるなどしていました。
そんな大渋滞している様子を、同局のテレビ番組で「豊洲市場周辺の交通渋滞が深刻」と報道していました。
マッチポンプ上等!なのでしょうか。
仕入れ後に浦崎大将から話を聞いてきました。
「今までの築地はネズミやらゴキブリやらで衛生状況に問題があったので、新しい市場で衛生的な食材をお客様に提供できるようになったのは良かったですね。夏は暑く、冬は寒いという魚にとっても良くない環境でしたから。
ただ初日の仕入れは、やはり卸によっては欠品がありました。
市場の設計自体は、自分のような小口の寿司店での仕入れには負担が大きかった。車、バイク、電車で仕入れに来る人には優しくない状況です。実際に1回の仕入れで遠いところに停める羽目になったのに、1回の駐車場代が900円もかかる状況だったので、毎日これだと負担が大きいです。今後、改善いただきたい点です。環状2号線についても、開通しないと仕入れに1時間近くもロスする状況でした。小池さんのせいで2年を無駄にしたのは何だったのか、というのは問いたいところです。
ちなみに、初日はマスコミの車が1車線を占拠しているせいで、市場から出るだけでも大渋滞でした。ああいうのは本当にやめてほしいですね。ランチの仕込みは文字通り綱渡りでした」
豊洲に対する評価が定まるまでにはある程度時間がかかるでしょうが、個人的にはしっかりと現場を見たうえで問題点は早急に改善していただきたいものだと強く感じます。
益満 寛志(ますみつ ひろし)元港区議会議員
1983年生まれ。明治大学商学部出身。学生時代に当時ブームだった「学生起業」を経験したチョット意識高い系。27歳で当時存在した幻の政党「みんなの党」から港区議選に出馬し、まさかの当選。1期を務めたのち、次の選挙には出ずに無職となり貧乏隠居生活を満喫中。