複雑な税制を導入してほくそ笑むのは、IT事業関連業者の方々と税理・会計業務に関わっておられる一部の方に違いない、と私は思っているのだが、消費税の増税は止むを得ないとしても、軽減税率の導入やこれに伴う様々な施策の実施にはとても賛成できない。
なぜ新聞に軽減税率を適用しようとするのか、納得できない。
軽減税率を適用したとしても国民の新聞離れを食い止めることは出来ないだろうから、こういう理屈に合わないことは止めた方がいい。
財務省の担当者は、本音では軽減税率の導入は見送ってもらいたいのではないだろうか。
まあ、政治家から強く言われれば、内心は反対でも役人は政治の求めるままに動かざるを得ない。
頭のいい財務官僚の方々だろうから、こういう時は口では反対、などということは決して言わないが、思いっ切り難しい仕組みを提案して政治の再考を促すようなところがある。
こんな面倒なことをやるのなら、軽減税率の導入なんて不公平極まりない変な仕組みの導入は止めておこう、と政治に言わせたいのではないかしら。
面従腹背ではないが、私だったらそういうことをやりかねない。
ふーん、こういう仕組みにしたら、いくらコストが掛かるの?
膨大なコストが掛かることが分かったら、良識的な人は、あ、そんなに掛かるのだったらやっぱり止めておくか、ということになる。
軽減税率導入についてキャスティングボートを握っているのは、言わずと知れた公明党である。
公明党が決死の勢いで軽減税率導入に固執するものだから、公明党の離反を恐れている自民党が軽減税率導入推進の旗を振っている。
さて、公明党の皆さんは、最後まで軽減税率導入の旗を降ろさないつもりかしら。
税制は、なるべく簡素な方がいい。
複雑怪奇な税制にして喜ぶのは、ごくごく一部の人のはずなのだが…。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年10月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。