札幌に帰っていた。セミナー登壇や、同窓会で。被災して壊れた墓の修理の件もあり。2泊3日だったのだが、実に濃厚だった。
入場中の長州力を藤原喜明が襲撃し、「テロリスト(今思うとすごい名前だ)」を名乗ったのも、この会場だ。この日、長州力と対戦する予定だった藤波辰爾は、外は雪なのにコスチュームのまま出て、「こんな会社、やめてやる」と言った。藤浪語録の一つである。ロックのライブで使われていた時期もあり。レインボーのライブで、観客が騒いで死者が出たのもこの会場だ。悲しい事件なのだが。というか、レインボーが当時の札幌に、しかも、中島体育センターに来ていたのが驚きだったのだが。
その後、老朽化に伴い、北海きたえーるが出来て。新日本プロレスクラスだと、こちらを会場にプロレス興行を行っている。最近では、インディーズ団体などが活用していたテイセンホールも閉鎖となり。プロレス会場は、使いやすい場所が少なくなり。音楽もプロレス・格闘技も、この「ちょうどよい会場」問題に直面している。ちゃんと動員できそうで、会場使用料がお手頃な会場である。首都圏ですらたりないのだが、地方ではこのような会場がなければ、そもそもアーチストや団体を呼べないわけで。
その「中島体育センター」だが、実は当時は一度もプロレスに行ったことがなく。いつか行こうと思っているうちになくなってしまった。札幌でのプロレスの事件は、いつもブラウン管で見ていたのだった。
今後も、札幌にプロレス団体が来てくれますように。心から祈っている。地方巡業というのは、お祭り感がある、大事なイベントなのだ。
編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2018年10月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。