おじさんが若者と付き合う時の「ルール」

内藤 忍

私は今54歳ですが、アニメの登場人物で同い年なのは、何とサザエさんのお父さんの磯野波平さん(写真)です。

同い年の同性のあまりの老け具合に慄然としますが、数十年前の日本人男性の平均は、こんな感じだったのかもしれません。

最近は、平均寿命が伸びただけでなく、自然年齢が一体何歳なのか見た目ではわからない「宇宙人のような人」も増えてきました。

個人差が広がり、同窓会で同級生を見ても、30代に見えるのもいれば、完全なるじいさまに枯れ果てた雰囲気の人もいました。

自然年齢に関係なく、アクティブなライフスタイルを維持する1つの方法は、できるだけ違う世界、違う世代の人たちと付き合うことです。自分の知らないことをインプットする機会を出来るだけ多く持つことで、いつまでも好奇心旺盛な気持ちを維持できます。それが見た目の若さにもつながります。

自分より年配の方から教えられる人生の知見も有益です。しかし、それ以上に自分よりも若い世代と話をすることで、自分の知らない世界からの圧倒的な情報量が流れ込み、刺激を受けることが多いのです。

私の場合、丸の内朝大学のようなセミナーや、ビジネスの上での起業家との交流でそんな世代を超えたコミュニケーションの機会があります。

そんな若者たちと交流する時、おじさんが気を付けるべきことが2つあります。

まず、自分の過去の自慢話をしないことです。

例えば、「30年前の仕事の武勇伝」を聞かされても、若者には何の興味も価値もありません。とにかく自分の過去の栄光の披露は封印することです。

また、酒を飲みながら、若者にダメ出ししてるおじさんもいますが、後からダメ出しされるのは、自分の方です。古い昭和な価値観を押し付けられるのを、若者はとても嫌います。世の中は変わっているのです。

せっかくのインプットの機会なのですから、聞き役に徹して、素直に自分が知らない色々な情報を教えてもらいましょう。

そしてもう1つは、気持ちよくおごってあげることです。

少なくとも、こちらから誘ったのであれば、年配者が支払うのが暗黙のルールです。これは、相手が男性だろうが、女性だろうが関係なしです。

シニア世代の人たちが、勘違いしやすい原因の1つは、若い時のマインドのままシニアになっているからです。自分は、30年前と変わらず若者と同世代気分になっていても、向こうはそんな風には思っていません。

2つの「ルール」をわきまえて、年齢に関係なく気持ち良い人間関係を続けたいものです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年10月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。