「コスパが良い」のは早稲田大学スポーツ科学部

内藤 忍

丸の内朝大学マネーコミュニケーションクラスのゲストの株本さんは、早稲田大学スポーツ科学部出身だそうです。ところが、スポーツ科学には全く興味が無く、入学した理由は「コスパが良い」からだそうです。

早稲田大学本部キャンパス(街画ガイドより:編集部)

コスパとは、偏差値が早稲田の学部の中で一番低いので、最小の努力で早稲田大学卒の学歴が得られる。株本さんに言わせると、中央大学法学部なんかが、コスパの悪い学部だそうです。

もう大学を卒業してから30年以上経つというのに、未だに「内藤さんは東大卒なんですね」といわれることがあります。

東大、早慶といった「有名大学」には、学歴というブランド価値が未だに根強く残っているようです。

実は、東大も早稲田と同じように、医学部に進学する理科3塁と文学部に進学する文科3類では、入学難易度はかなり違います。しかし、社会人になってから「東大ですか?」と聞く人はいても「東大の何学部ですか?」と聞かれることはほとんどありません。

とすれば、東大という学歴を手に入れることだけを目的にするなら、理科3類ではなく文科3類を狙うべき。文科3類が、東大では最も「コスパが良い」学部です。

こんな風に日本の大学を教育機関としてではなく、学歴というブランディングの手段と割り切ることには、賛否両論あると思います。しかし、現実問題として特に文系の学部は卒業することよりも、入学することの方に価値があります。つまり、日本の大学に教育機関としての付加価値提供はあまり期待されていないと考えるのが自然です。受験をゲームとして捉えれば、最小の受験勉強で有名大学卒の肩書きが手に入る学部が効率的という考え方は、とても合理的です。

グローバルには、価値がどんどん低下している日本の大学ですが、日本国内では、まだしばらくはブランドとしての価値があるのです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年10月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。