河野太郎外務大臣が主導したことだろうが、こういう動きをテキパキとやると政府に対する信頼度が上がることは間違いない。
徴用工問題でターゲットにされている被告企業に向けての説明会が開催されたようである。
個別企業の紛争事案に政府がどんな形でも口出しすることは、これまでは考えられなかったと思うが、事の重大性に鑑みて政府が乗り出すことにした、ということだろう。
今の日本政府の腰は結構軽い、ということが分かったのはいいことだ。
まあ、被告にされている企業の担当者から言わせれば、いくら日本政府から徴用工問題は解決済みの問題だ、安易に和解に応じたり解決金の支払いをしないで欲しい、と釘を打たれてもとても安心は出来ないだろうが、それでも日本政府が乗り出してくれた、ということになると、慎重に対処しようということにはなるはずだ。
ターゲットにされている被告企業は、韓国における訴訟に対して統一弁護団を組織する等の方策を講じられた方がいいだろう。
韓国の大法院の判決を覆す法理なり方策を見出すことが出来るかどうかは保証の限りではないが、大法院が下した判決に穴がないとは言えない。
穴が見つかればそれなりの対処策が出てくる、というのが私の経験則である。
やってみなければ分からない類のことなので、外野席からあれこれ言っても仕方がないのだが、法律実務家としては腕がムズムズするような事案ではある。
何はともあれ、外務省主導で法務省や経済産業省その他の関係省庁の精鋭が動き始めたのはいいことである。
どなたがこのタスクフォースの指揮を執られているのだろうか。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年11月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。