米中貿易戦争が激化する一方、安倍訪中で日中関係は急速に改善しそうでもある。また、トランプ大統領以上に、対中強硬派といわれるペンス副大統領の訪日も決まったようだ。
これからの中国の行方から目を離せないなかで、月刊「正論」(産経新聞社発行)が開催する「緊急討論!世界は中国の支配を許すか ~中国の向かう先は暴発か協調か、日米はどうする~」=11月9日(金)18時30分からニッショーホール:東京都港区虎ノ門=に参加することになった。
パネラーはほかに、湯浅博氏(国家基本問題研究所主任研究員)、矢板明夫氏(産経新聞社外信部次長)という産経新聞における中国問題のエキスパートである。
私は最近、「中国と日本がわかる最強の中国史」 (扶桑社新書)を出したことで参加させてもらう。
昨日、事前の打ち合わせをさせていただいたのだが、それぞれに視点が違うので面白い討論になりそうだ。
湯浅博さんの新刊に「中国が支配する世界 パクス・シニカへの未来年表」(飛鳥新社)というのがあるが、中国がいかにして世界の支配者になろうとしているかを過去と未来の年表として示したもので実に面白い。日本やアメリカがどう対抗すべきかはこういした時間軸を理解しないとダメなのだと思う。
そこで紹介されているエピソードで驚いたのは、IMFの規定では本部を世界でGDPがいちばん大きい国に置くことになっているいうのだ。つまり、これから10年のうちにでもありうるとされている米中逆転ののちは、今のままの規定ではIMFは本部をワシントンから北京か上海に移さざるを得ないというのである。
矢板明夫さんは、1972年中国天津市生まれで、15歳の時に残留孤児2世として日本に引き揚げ、慶応大学文学部から、松下政経塾。中国社会科学院日本研究所特別研究員、南開大学非常勤講師などを勤めた人である。
「習近平の悲劇」(産経新聞出版)は、習近平の生い立ちと権力基盤を中国生まれの日本人として独特の感覚で分析している。習近平が文革で苦労したということでなく、父親を裏切るような形で紅衛兵的に動いてのし上がったという太子党についての解説が興味深く、面白かった。「私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた」(ビジネス社)という石平氏との共著もある。
打ち合わせで議論を整理したのだが、安倍訪中については、湯浅氏は「よろしくない」、矢板氏は「よかった」、私は「これから次第」という立場だ。
いずれにしても、なかなか面白い議論になりそうだ。いずれ「正論」でも紹介されるだあろうし、私もアゴラで肝臓を書きたいと思うが、ご興味のあるかたはぜひご来場いただければ幸いだ。
「緊急討論!世界は中国の支配を許すか」東京・虎ノ門で11月9日開催(産経新聞社プレスリリース)