なぜ日本の林業は、儲からないのだろうか。
需要を上回る供給が続いているのが要因だが、それだけではない。原木市場や製材市場等複雑かつ多段階な流通のため、林業経営者に利益が還元されにくいことも大きな理由だ。
11月20日にオープンしたeTREEは、誰でも入れる、何でも買えるインターネット木材市場。建築材や一枚板などの用途、杉や檜などの種類から、工務店や施工主が直接選ぶことができる。
木目が美しく価値が高い銘木も、田舎の倉庫に眠っていることが少なくない。どこに何があるのか、よく分からないためだ。
林業家にとって、eTREEで木材を販売するのは簡単。東京あきるの市の拠点に送るだけでいい。ネット販売に必要なデータや写真はeTREE側で準備。販売手数料はかかるが、固定費はかからない。ZOZOTOWNとよく似たモデルだ。
eTREEでは、林業業界で働く人を積極的に取り上げる。運営する(株)森未来の浅野純平社長は、林業家の木材に対する思いを、一般のユーザーに伝えたいと意気込む。
ZOZOTOWNがアパレル業界に新風を巻き起こしたように、eTREEも起こすか。そして、日本の林業が儲かり、田舎への回帰が進むのか、注目していきたい。
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<井上貴至 プロフィール>
編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2018年11月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。