個人投資家は、良いアクティブファンドを選べるのか?

本日の日本経済新聞のM&Iコーナーには、投資信託の選び方が紹介されています(図表も同紙から)。

日本国内にある6000本近い投資信託の中から、どうやって良いファンドを選ぶのか。記事の中で提案されているのは、良いファンドを選ぶのではなく、悪いファンドを選ばないようにすることです。

では、悪いファンドとはどんなファンドなのか?長期運用には向かない投信の条件を5つ挙げています。

頻繁に分配金を出す
仕組みが複雑
運用年数が短い
リスクが大きすぎる
販売手数料が高い

スクリーニングによって、日本株に投資するファンドの過去の運用実績から選んだファンドが図表に掲載されている7本のファンドです。どれも、過去はインデックスを上回る運用成績を上げています。この中から、さらに基準価額の動きやテーマ型ファンドでないことなど絞り込みをすれば、良いファンドが見つかるとしています。

この記事を読んで思ったのは、果たして過去の運用実績が将来を保証するのかという素朴な疑問です。相場環境が変わったり、運用担当者が変わる可能性もあります。一貫した運用方針を続けていけば、どんな相場環境でもインデックスを上回る運用実績が上げられるか。私は懐疑的です。

今回、スクリーニングで選択された上記の7本のファンドが、これから3年後、5年後にどんな運用成績になっているのか。もし、そのほとんどが引き続きインデックスを上回る運用成績なら、過去の成績は将来を判断することにつながると言える可能性が高まります。

金融商品の選択は、簡単ではありません。市場が効率的で「歪み」を見つけることが難しく、存在したとしても大きな超過リターンにつながらないからです。

販売手数料がかからず、年間の管理コスト(信託報酬)が0.2%程度のインデックスファンドに、コスト差し引き後で勝つのは、極めてハードルの高い運用です。7本のうち、それが実現できるのは果たして何本あるのでしょうか?備忘録として、ファンド名と運用成績をブログに残しておこうと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年12月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。