自分勝手な言い訳
日韓議員連盟代表団は14日、青瓦台の大統領府を訪問し、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領と会談した。その一行の中に武井俊輔衆議院議員(自民党、宮崎1区)がいる。日韓議員連盟の議員たちの媚韓的な態度に対し、国民の怒りと批判が浴びせられた。そんな状況の中、武井議員は15日、自身のフェイスブックで以下のように書いた。
私は安易なアジテーター(扇動者)にはなりたくありません。小村(小村寿太郎のこと)はけしからん!擁護する新聞社もけしからん!と煽れば、それは暴動になるのてす。
(武井俊輔議員フェイスブック記事より)
武井議員は自分を小村寿太郎になぞらえているらしい。
小村寿太郎は1905年、外務大臣として、日露戦争の講和であるポーツマス条約を締結した。日本にとって、有利な講和となったものの、ロシアから賠償金を取ることができなかった。これに怒った群衆は帰国した小村に、「この国賊め!」と罵声を浴びせた。小村はショックのあまり、その場で倒れ、動けなくなってしまった。
首相の桂太郎は周りが止めるのも聞かず、「小村を放っておけるものか」と一喝して、彼を出迎えに行き、倒れた小村を介抱した。
今回、訪韓して、国賊呼ばわりされた武井議員は「私の事務所には小村寿太郎侯のポスターを貼っています」などと述べ、今の自分の心境は小村と似ているということを言いたいらしい。なかなか、笑わせてくれる。
武井議員は1975年生まれ、中央大学文学部卒、宮崎県議会議員を1期務め、2012年の衆議院議員総選挙・宮崎1区で初当選、現在は3期目である。
武井議員は15日のフェイスブック記事で長々と、今回の訪韓に「成果があった」ということを弁明している。武井議員はその「成果」が具体的にどのようなものであったかは一切述べていないが、訪韓のための旅費などについては、「党からも議連からも経費も出ません。全て自弁です」と述べ、妙に力を入れて、説明している。「行き先は温暖なリゾート地でもなんでもない氷点下10度にもなる厳寒のソウルです」とも書いている。だから何なんだ?
「会社を辞め、それなりに安定した生活を捨てて政治の道を歩んでいます」などと身の上話も披露しているが、「安定した生活」が恋しいならば、今すぐにそうすればよい。実に、恩着せがましいモノ言いではないか。
私が武井議員のフェイスブック記事で最も、その非常識さを感じるのは、以下の部分だ。
そもそも、いつ、誰が行くかは公知の内容であり、私自身も岸田会長にも報告して参加しています。そもそも自民党で最も多く参加していたのは幹事長派閥の二階派です。
もし我々の行動が本当に国益に反すると政府与党に判断があれば、表裏問わず”勧告”があったはずです。超党派ですから、極端な話、わが党が全員出なくても成立するのです。
しかしそのような動きは全くありませんでしたし、また当日の開会式には長嶺駐韓大使も出席頂きました。この議連の活動に問題があれば、現場のロジ(足回りのお世話)はともかく大使が出席することにはなりません。
「岸田会長にも報告して参加」とある。派閥の親分も自分たちの訪韓を認めてくれていると言わんばかりだが、岸田政務調査会長が「文大統領に媚びて来い」とでも言ったのだろうか。岸田氏は「言うべきことを言って来い」と言ったかもしれないが、あのように無様な議員外交をしてもよいと認めたはずはない。まあ、この時期に、派閥の親分たる者が「時期を改めるべき」と忠告しなかったこと自体、問題ではあるが。
武井議員は、訪韓は派閥としても党としてもオーソライズされたものであり、しかも、駐韓大使まで出席し、その正当性を認めていると言いたいらしい。とんでもないことである。文大統領や韓国側議員と席を共にしながら、言うべきことを言わなかった非や罪は全面的に武井議員ら訪韓団にある。武井議員の発言は自らの罪や非を岸田氏や党、大使にぬすくり付けようとするものだ。
自民党が今回の訪韓団のおこなった利敵行為をオーソライズするようなことはあり得ない。実際に、安倍総裁から祝辞・伝言などは一切出ていない。武井議員の発言は党を貶めるものであり、自分勝手で卑怯千万、許されるものではない。日頃、この国を良くしたいという一念で党の活動を支えている支持者に対しても、失礼極まりない。
(日韓議連の利敵行為の詳細については拙稿『日韓議員連盟の軽挙妄動、なぜ、今、訪韓なのか?』を参照)
韓国で起きていることは他人事ではない
今回の訪韓について、日韓議連は産経新聞政治部記者の取材を許可しなかった。産経記者に「手続き上の瑕疵」があったということらしい。日韓議連側は7日に取材募集を締め切り、この日までに産経の応募がなかったと説明している。産経新聞によると、そもそも議連側は同行取材を募っていなかったとのことだ。議連はいったい、何を恐れて、取材を拒否したのか。やましいことがなければ堂々と取材に答えればよい。
日韓議連に限らず、国会議員・地方議員を問わず、日本の政治家の中には深く半島に関わりのある者がいる。半島側も財団・宗教法人・政治連盟・その他各種協議会などの様々な組織を通じて、日本の政治に介入している。中には、自分たちの組織から人材を秘書として、議員事務所に送り込んでいるケースもある。選挙の時など、そのような得体の知れない団体が組織ぐるみで応援に駆け付ける。こうした組織の祝賀会などに、公然と参加する議員もいる。
日本の政治家として、信念に反することはしないとどんなに律していたとしても、現実にはそうはいかない。議員も人間であるので易きに流され、知らず知らずの内に取り込まれてしまう。彼らの恐ろしさや脅威について、認識できていない議員などは簡単に取り込まれる。
つまり、これはいわゆる工作である。1997年に韓国に亡命した朝鮮労働党の黄長燁(ファン・ジャンヨプ)元書記(故人)は「韓国には5万人の北朝鮮工作員が潜伏し暗躍している」と証言している。日本は韓国ほどズブズブではないにしても、少なくとも数百人の工作員が潜伏しているのではないか。彼らは上記のような様々な組織と連携していると考えられる。
「スリーパーセル」騒動ということもあったが、この種の話は陰謀論のような低俗で訝しいものも多く含まれており、何が真実で、何がウソなのかを見分けることが難しい。いずれにしても、半島側の工作が日本の政界に侵食していることは事実だ。
文在寅政権は北朝鮮の工作によって生み出された革命政府である。これは陰謀論でも何でもない。目の前で起きている事実である。日本が韓国のように、半島の闇勢力に籠絡されないという保障はどこにもない。韓国では、メディアなどにも工作が深く侵食し、巧妙な情報操作で、国民の目と耳が塞がれている。今、韓国で実際に起きていることをよく見るべきだ。