依存症に温かい言葉:ありがとう!テレ朝、TVタックル、東国原さん

みなさま、クリスマス休暇をお楽しみのことと思いますが、
昨日、私は最高のクリスマスプレゼントを頂きました!

そう、それはタイトルでもお分かりの通り、かの人気番組TVタックルでのワンシーンです。
今年を振り返るような番組の企画の中で、有名女優さんの息子さんの薬物による4度目の逮捕について取り上げ、
元宮崎県知事でもありタレントの東国原英夫さんが、至極まっとうで有意義かつ、実に温かい以下のようなコメントを出してくれたのです。

MCのお一人、阿川佐和子さんが「再犯というのは避けられないことなんでしょうかね?」とおっしゃると、
東国原さんが

「治療という観点で見ないとダメですよね。患者さんなので、犯罪者ではなく治療を受けて治しましょう!という視点が、日本には欠けていると思いますね。」

と、コメントして下さったのです。

そして、その後番組のナレーションで、

・刑罰によって薬物依存症が治るわけではない
・薬物依存を病気と捉えて治療する
・2016年から‘刑の一部執行猶予制度’が始まり、執行猶予期間は保護観察下において治療する
※初犯・再犯等の条件によって異なる
以上が現在の考え方・対策

という、まさに一般にはあまり知られていない、現在の世界的な流れについても放映して下さいました!

これは本当に嬉しく、また画期的なことと思います。

まだまだ道徳概念や精神論の強い日本では、違法薬物の依存症については滅多打ちにした方が一般にウケる…
という流れの中で殆どの番組が、無知なタレントにコメントさせてボロクソに叩くというのが主流です。
ですから、さらりとこういった正しい情報を流して下さった事、本当に有難いです。

しかも今日のTVタックルは、メインMCが北野武さんと爆笑問題さんでしたが、爆笑問題の太田さんは、自身の冠番組サンデージャポンの中で、清原さんの問題を取り上げ、他の出演者が、清原やめられない説や例の役にも立たない精神論を振りかざす中、一人、更生を信じ、見ていたこちらが驚くぐらい、熱く擁護に回って下さいました。

案の定、その太田さんの発言に対しネットでは炎上していましたが、あの時から、爆笑問題さんには感謝の念を忘れたことがありません。

また、北野武さんは様々な番組で何度も依存症についてコメントされていて、「あれ病気だよね。」「一人じゃやめられないよね。」とこれまで見てこられた、依存症になられた芸人さんの例をあげてお話しされてきました。

そして本日の番組で、東国原さんの発言となった訳で、やはりご自身も様々なピンチを乗り越えて来られただけに、こういった人間的な温かみある発言をして下さったのかな?と感じました。

またご存知の通り、私たちで作っている「依存症の正しい報道を求めるネットワーク」で、テレビ朝日系ドラマ「相棒」の「シャブ山シャブ子騒動」に対して要望書を出したことから、テレビ朝日さん側から、「今回、薬物依存症に関して、一部でに誤解を招きかねない表現があるとの指摘を受けまして、そういった意見については真摯に受け止め、今後の番組制作に生かしてまいりたい」とコメントを出して下さったという経緯もありました。

こうして本当にテレ朝さんが、薬物依存症治療に対する現代の流れを理解して下さり、放送に生かして下さったことに、感謝の念に堪えません。

今後メディアで、今回のTVタックルさんのような報道が主流となってくれることを願います。
そして多くの依存症で苦しむ当事者・家族が報道によって回復に導かれますように!

関係各位の皆さま、本当に有難うございました。
Thank you So much&Merry Christmas!


編集部より:この記事は、公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表、田中紀子氏のブログ「in a family way」の2018年12月24日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「in a family way」をご覧ください。