今年もあと1日を残すだけとなった。「今年の漢字」に「災」が選ばれたと聞く。それだけに、「来年はいい年であってほしい」と切実に願う人が多いだろうが、不安と懸念を完全には払しょくできない。そこで欧州で有名なブルガリアの予言者、ババ・ヴァンガ(Baba Wanga)の「2019年の予言」内容を紹介する。ドイツ日刊紙ビルト(電子版、2018年12月28日)が掲載した内容だ。
欧州にも過去、多数の預言者や予言書が現れ、来るべき時の様相を直接的に、時には象徴的に語った。当方も「マラキ預言書」や「ファティマの予言」、そして「ノストラダムスの予言」から「マヤの暦」までさまざまな予言内容に強く関心を持ってきた一人だ。
予言が当たった時と外れた場合があるが、近未来の予言にはやはり心をひきつけられる。人は未来に対し、希望と夢を感じる一方、漠然とだが不安と懸念があるからだ。
ここで紹介する予言者ババ・ヴァンガは1911年、現在のマケドニアで生まれたブルガリア人。13歳の時にトルネド(竜巻)に遭い、視力を失う。その後、多くの啓示や幻想を体験する。そして1996年に85歳で死去した。第2次世界大戦では兵士たちがどのような運命に遭遇するかを語り、その予言内容は約80%が当たったこともあって、彼女の名は急速に広がっていく。ブルガリア国王ボリス3世は1943年、彼女にアドバイスを受けているほどだ。
彼女の予言は口述だけで、関係者が彼女の予言を集め、後日発表したものだ。当方はその信頼性を判断できないが、最近では「米国内多発テロ事件」(2001年9月11日)や英国の「欧州連合(EU)離脱決定」(2016年6月)は当たったという。
<例>2001年9月11日の米国内多発テロ事件
「恐ろしい、恐ろしい、鋼鉄の鳥たちに襲われ、米国の双子が倒れる」
それでは彼女の「2019年の予言」を見る。簡単に言えば、カタストロフィーの到来を告げている。ロシア、アジア、欧州の人々には大危機が待っている。津波が罪のない人々を葬り、欧州は経済危機に陥る。ロシアのプーチン大統領は暗殺の危機に遭遇し、トランプ米大統領は奇病に悩まされる、といった内容だ。
読者の皆さんは冷静に読んでいただきたい。これらの予言はあくまでも1人の女性預言者が残していった予言であり、その内容は極めて象徴的な表現となっており、様々な解釈の余地があるからだ。ただし、ヴァンガ研究家たちはその内容を深刻に受け止めている。
①巨大な地震が発生し、モンスター級の津波で多くの犠牲者が出る。地域としてアジア地域、アラスカの一部だ。
②欧州では英国のEU離脱の結果、経済体制が崩壊
③隕石がロシアの大陸に落下する。プーチン大統領には暗殺の危機がある。暗殺者は内部の治安関係者。プーチン氏が死去するかどうかは不明。
④トランプ米大統領は奇妙な病にかかる。吐き気、聴力の減退、脳障害、最終的に聴覚障害となる。大統領の家族が自動車事故を起こす。
彼女は2010年11月から14年10月の間に第3次世界大戦の勃発を予言し、核戦争を予告したが、幸福なことに当たらなかった。また、彼女の「2018年の予言」には「中国が世界の支配者になる」と予言しているが、中国の国民経済はここにきて停滞傾向を見せ、米国から貿易制裁を受けている。
以下、ヴァンガの未来への予言だ。荒唐無稽な内容から現実的な予測までさまざまだ。
①2028年・有人衛星が金星まで飛行し、新しいエネルギーを発見
②2043年・世界の経済が繁栄し、欧州はイスラム教徒が支配
③2076年・共産主義が再出現
④2125年・宇宙から最初の接触
⑤2288年・タイムトラベルが可能
⑥3010年・彗星が月を破壊
⑦3793年・人類が地球を去る
⑧4509年・神との対話が可能に
⑨5076年・宇宙の境界を発見し、そこを超えないように警告されるが聞かない
⑩5079年・世界の終わり
上記の10点の中で、「人類は西暦4509年になって神と対話できるようになる」という⑧の予言は興味深い。
いずれにしても、予言の内容が実際に起きるかどうかはやはり人間の対応、責任次第だろう。「良き予言」は感謝し、「悪しき予言」に対してはそれを回避するために努力を払うことが重要となる。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2018年12月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。