正月早々襲った急激な円高。1日で5円近く動く理由はいろいろ指摘されていますが、私からすれば休みが多い日本の盲点だとみています。日本は祭日を含め、一斉休暇が大変多い国。正月に5月の連休、お盆という手薄の時は狙われやすくなります。政府はもっと休みを、といいますが、私から言わせてもらえばもっとバラバラに休みを、と言いたいです。バンクーバーではクリスマスも正月もオープンする店が本当に増えて生活には困らない時代になっています。日本はその点は逆行傾向にある点は指摘しておきましょう。
では今週のつぶやきです。
市場は相変わらずのローラーコースター
ニューヨークの株式市場がゴムまりのように上下運動をするボラティリティの高さはAIとプログラム売買が進んだせいなのでしょうか?今日、金曜日は出来すぎの雇用統計とパウエル議長のハト派発言が聞こえてきて昨日の下げを打ち消すほどの上昇をしています。
Wall St. rebounds on robust jobs report, dovish Powell remarks https://t.co/16NST4Soql pic.twitter.com/QBXmbpIgf3
— Reuters U.S. News (@ReutersUS) 2019年1月4日
12月アメリカ雇用統計は301千人増と事前予想の185千人を大きく上回るあり得ないほどの好水準。失業率は3.8%と前月より1ノッチ悪化していますが理由は労働参加率が1年3か月ぶりの高水準となったからでこれは良い傾向です。賃金も年間ベースで3.1%増となっています。
12月の雇用統計はクリスマス時期による一時的雇用の増大があるため、毎年、大きく膨れ上がる特殊事情があります。1-2月にどれぐらい下がるかがむしろ注目されます。
パウエル議長の「利上げについても我慢できる」というハト派発言も私が予言した通り、少しずつ軌道修正する形で出てきています。今の状況であれば3月の利上げ確率は5分5分でしょう。ただ、「我慢」とはいつかは上げるという意味でもあるのですが。
バイロン ウィーン氏のびっくり予想
今年も発表されました。いくつかピックアップすると「中国上海市場は25%高」「英国は二度目の国民投票のち、EU残留」、「FRBは利上げ停止、S&Pは15%高」「金1000ドル以下へ」などなどであります。同意できるもの、できないもの様々ですが、氏の当たる確率も約5割ですからそのあたりは間引いて楽しむ程度でよいのでしょう。
これだけみると楽観的に見えますが、中にはトランプ政権で重要なアドバイザーが去り続ける、とか、ねじれ議会でオバマケアや2020年のインフラ支出が認められるという民主党的予想も見られます。どちらかといえば全体トーンは株屋出身の氏にもかかわらず、やや楽観視が後退した感じがします。そういえば日本に言及したものは一つもないところが寂しいです。過去は一つぐらいはあったものでしたが。
どこに行く、日韓関係
レーダー照射問題がこれほど熱くなるとは思いませんでした。今までの日韓問題は国民が導火線に火をつける形が多かったのですが、今回は双方の政府が主導する形で展開されているのが特徴です。これは今回の問題の当事者が政府レベル同士であって、民間人はほぼ関与していないからでありましょう。
その今回のバトルも日本側に分があるわけで、韓国側の無茶ぶりがまたしても露呈した形になっています。
徴用工問題では新日鉄の敗訴を受けて資産差し押さえの動きが出てきています。同社は日本政府と相談しながら、というコメントを発しています。正攻法の大逆転はあるのでしょうか?私は法律の専門家ではないのですが、国際司法裁判所へは日本側のみが提訴済みですが、同裁判所の強権力をもって韓国国内の憲法裁判所の判断の効力の一時凍結を試みることができないものかと思います。
確実に言えることは両国間の関係はかつてないほど冷え切っていることでしょうか?一部の日韓企業はそれでもビジネス関係の構築を望んでいることは事実です。それゆえに日本の地方空港まで韓国の航空機がくまなく飛び、KPOPは日韓関係に無頓着な女子中高生の心を煽ります。
しかし、政府レベルで冷え切った今、民間主導で盛り返すのはもっと困難。そんな中、韓国に同胞、北朝鮮が「一緒に戦いましょう」とすり寄る構図は頭痛の種となりそうです。
後記
正月恒例の箱根駅伝。我が母校はV5を目指し、原監督のスタート前までの自信は有り余るほどでした。が、学生のコンディションまでは見抜けません。駅伝の面白さは10人のバランスと気持ちの入れ方であります。5区山登りでは多くの「新 山の神」候補が出現、いかに他校のレベルも上がっているか見せつけました。
が、青学の生徒が圧巻だったと思うのは気持ちを切り替えた復路。6区以降の走りは昨年以上でありました。青学の復路優勝という見出しはあまりなく、V5逃すといった記事が多かったと思いますが、個人的には今回は原監督ではなく、6区から10区を走った生徒をほめたいと思います。ご苦労様でした。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年1月5日の記事より転載させていただきました。