秋篠宮家は婚約をいったん白紙にすべき

八幡 和郎

あいかわらず、週刊誌の餌食になるだけで進展がないというよりは泥沼化する眞子様と小室圭氏との結婚問題だが、「きちんと整理して、世間の納得を得るべき」(記者会見より)と秋篠宮家が仰るのは、逃げているだけで、不適切に問題を混迷させているだけだと思う。

宮内庁サイトより:編集部

私は秋篠宮家は、「いったん婚約予定を白紙に戻し、今後は、新たな問題として対処する」とすべきだと考える。やめるとしたら、仰々しく婚約予定解消などとする必要はなく、自然消滅にしたほうがよい。

それは、この結婚を許さないということではない。何年かして、この結婚が国民の祝福を受けるような状況になればそれでも良いし(そうなる可能性は少ないと思うが)、国民の祝福を受けるような状況でないがどうしてもというなら、そういう状況を前提にしたうえでの条件整備をしたうえで結婚することは止めようもないのである。

そもそもの間違いは、十分に適切な結婚か調べもせずに、いきなり発表したことだ。交際発覚したら、「ただの友人です」「良いお付き合いをしてますが、いますぐ結婚と飽きることではありません。暖かく見守ってください」とでも言うべきだったのだ。

イギリスのウィリアム夫妻も、いろいろ問題はあったが、そういう交際してますという状況がしばらくあって、いちどは少し距離を取ったりしながら問題をクリアして、これなら大丈夫かということで婚約した。

しかし、いまそれを言っても仕方ない。それなら、いま秋篠宮家がやっている条件がクリアされたらというのは正しい条件設定なのかと言えば、全く間違っている。

さしあたって、まっとうな方法で小室氏が借金を返せる見通しなどない。だとすると、

①貸主に「仕方ない」とあきらめさせる

②誰かに肩代わりしてもらう

③小室氏が自活能力を持つ

—の三つしかない。

しかし、①は返すべきものを踏み倒すということであり不適切だ。②も皇族やその関係者がその地位を利用して贈与ないしそれに類するものを受けるのだから不適切だ。

③は数年は最低でもかかるし弁護士資格をとれる可能性も確実性に乏しい。それから、留学中の生活費は、法律事務所からの貸し付けと聞くから、借金総額はこれまでの400万から増えて2000万円くらいにはなるのではないか。もちろん利子だってある。

そういうなかで、何を持ってクリアしたというか難しいのではないか。そういうなかで、秋篠宮家が「クリアしろ」とだけいっているのは、その方が楽だが、無理難題をいっているだけで、かえって問題を複雑化していると思う。

そのうえで、もし、眞子様が条件はクリアされないが、どうしても結婚したいと仰るならどうするのか?その場合は、一時金制度を見直すべきだ。一時金は結婚相手の借金を返したり、身の丈に合わない「逆玉」生活をさせるためにあるのではない。

その場合には、一時金辞退とか、無駄遣いを避けるために年金方式への変更とかもありうると思う。つねづねいってきたが、この結婚の最大の問題は、元皇族、将来の天皇陛下の姉として適切な品格を保ち、公務ではないが黒田清子さんが果たされているような準公的な仕事をこなせる見通しが立ってないことにある。

皇族を離れると言っても御所に出入りしたり、行事に参加されることはあるのだから、その場合、これまでの皇族の結婚ではおこらなかったさまざまな事態にどう対処するかシュミレーションが必要だろう。

逆に、この結婚をやめる場合に、小室氏がどうするか、相談にのるようなきめ細かさもあったほうがよい。彼が暴露本その他の誘惑にさらされたり、不幸な人生を歩むことは皇室にとっても名誉なことにならないと思う。

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八幡和郎
イースト・プレス
2018-04-08