ニュースがてんこ盛りで報道メディアはさぞかし忙しいことかと思います。来週にはいよいよ、英国議会がEUからの離脱に関してメイ首相が推す離脱案を受け入れるかどうかの投票が行われます。下馬評では否決されるとみられており、そうなると次のシナリオのオプション探しにこれまたメディアをにぎわせそうです。
さて、日本は3連休、また休みか、と毎年呟く中、「今週のつぶやき」をお届けします。
ようやく一息ついた投資家達
悪夢のようなクリスマス時期を迎えた株式投資家は多かったと思います。そこから急速に回復基調を辿り、ダウはなんと2400ポイント、率にして11%近く戻しています。S&PやNASDAQも同様です。それに対して日経平均は約1400円、7.6%ほどでまだまだ戻し足らずという感じがします。
北米は急速なムードの変化と年初で機関投資家も安値を拾う動きが出ています。日本は「疑心暗鬼」という言葉がまだふさわしいようで「これは正夢か?」と思っている方も多そうです。
来週からはいよいよ北米で10-12月期の決算が出てきます。市場予想を上回る好業績となればもう一段上がってもおかしくなく、日本の出遅れ感が強まる可能性はありそうです。
オリンピック招致のコンサル料、あれは何?
突如メディアを賑わしたのが東京五輪、パラリン招致をめぐり2013年に招致委員会がブラック タイディングス社に計2億3千万円払ったのがわいろではなかったか、という疑惑です。フランス当局で長く調査していたものがメディアにリークし、それを受けて日本のメディアも大騒ぎになっているという話です。
私もざっと報道を呼んだ程度のインプットですが、誘致委員会の代表であった竹田恒和JOC会長の本支払に対する意識がやや薄すぎる気がします。ご本人も釈明のコメントを発表していますが、このブラック タイディングス社との契約もよく読んでいないようだし、同社の社長のタン氏にも会ったことがないとあります。誘致活動している中で2億円以上の費用を払うコンサル会社の社長に会ったことがないというのは不思議です。
つまり、勝手な想像をすれば騙されているのか、もっと奥が深いものがあるのかどちらかの可能性であります。一部にはゴーン氏逮捕勾留に対するいやがらせではとも報じられていますが、個人的にはその関連性は薄いと思います。事実、日仏外務防衛閣僚会議では連携強化を確認しています。
本件はイメージとしてあまり芳しくない方向に行く気がします。
どうなる日韓関係
これだけでひとつのトピになりますが、10日に飛び出した文在寅大統領の「仕方がない」発言は実に用意不周到な言葉選びでした。もともと年頭の記者会見で次々と記者との質疑応答を進める中、間違えて日本人記者の質問を受けてしまい、しょうがなく喋ってしまったというのが真相です。文大統領は日本を刺激するような一切の発言を控えるというスタンスを持っていたはずですが、自らが火をつけてしまいました。
慰安婦の財団解散、レーダー照射問題、竹島への韓国議員上陸、それに徴用工判決と刺激一杯の関係の中、日本は忍耐強く正攻法で対峙してきました。しかし、自民党の外交部会、外交調査会でかなり過激な案が多数飛び出す中、いよいよ「堪忍袋の緒が切れる」のでしょうか?大使召還はあまり意味がないでしょう。ビザ制限や経済制裁も気をつけないと双方のバトルは泥沼化し、第三者を利することになります。そう、中国と北朝鮮であります。
私は個人的に「挑発に嵌められている」気がしてなりません。つまり、日本が感情に任せて対抗措置を取ることをあたかも誘導しているようにすら感じるのです。それを利用し、日本を踏み台にしようとしている戦略ではないかとみています。よってこの対抗策は感情を殺して国際世論を味方につけられるような高度な手法を使うべきでしょう。ビザ制限などは子供のケンカレベルにすぎないと思います。
後記
大相撲の春場所が始まります。注目は先場所優勝した貴景勝の大関取りもありますが、なんと言っても稀勢の里の進退をかけた場所でしょう。後半戦は上位陣との戦いが組まれることと3横綱が戻ってくることを考えると中日までは一つも星を落とせないぐらいだと思います。これ以上、休場も厳しい中、男を見せるか、期待しましょう。
では今日はこのぐらいで。今年は晴れ着の問題がないことを祈ります。新成人、おめでとう!
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年1月12日の記事より転載させていただきました。