1月14日の成人の日には、全国各地で成人式が執り行われました。
その日、私が新横浜に居ました。
横浜市の成人式は新横浜駅から程近い、横浜アリーナで開催されており、新横浜駅構内や駅から出た歩道橋などは、待合わせをする新成人でごった返し、地元で着付けを済ませ、ご両親に送迎してもらう車で駅前道路も大渋滞をしていました。
そんな新成人を見ながら、「女性の晴れ着は、お金がかかって大変だな。それに比べて男性はスーツだから、安く済むなぁ」と思ってみつつも、「女性は晴れ着が着れる今日が楽しみでもあるんだろうな」と考えたりもしました。さらに、うちの子は2人とも成人していますので、「今日成人式を迎える彼らは、うちの子よりも年下なんだな」と思いながら眺めていました。
さて成人式については、すでに3年連続で取り扱っています。ある意味で、それだけ言いたくなる問題が起きてしまう訳ですが、4年連続で今年も取り扱わなければいけません。
私が以前、市長を務めた横浜市の成人式が荒れました。
昨年は着物レンタルの『ハレノヒ』が起こした騒動でしたが、今年は当の『新成人』が騒ぎました。昨年は新成人が被害者でしたが、今年は新成人が加害者になったとも言えるわけです。
ちなみに以前にも書きました、私の市長時代で成人式が荒れたことはありませんでした。率直に言えば、荒れないようにしていました。それは成人式の運営方法や、登壇者のスピーチの在り方など、過去のブログでも紹介しました。もちろん、厳粛ゆえの退屈だとか、スピーチの内容が面白くないからといって騒いではいけないわけです。それは当然大人の行為ではありませんので。
横浜市の成人式では複数人の新成人が大声で騒ぎ立てたり、ステージに突進したり、スタンドを乗り越えようするなどで、大騒ぎになりましたが、横浜の成人式に限らず、こういう場合、私ならどうするか!?私だったらスピーチを即時中断して、怒ることなく、『警察の方、警備員の方、彼らを外に連れ出してください。』と言います。そして、彼らが外に出されて会場が静かになってから、式典を再開させます。
このような騒ぎは威力業務妨害罪です。私は成人式に臨むにあたっていくつかのシナリオとを自分の頭にリスク管理として持って臨み、この種の場面では上記のように言うと決めていました。そうしないと、この日を人生の節目の一つとして考えていた新成人に対して私、失礼だと思います。そうでなければ、ほとんどの人たちが不愉快な思いで帰ることになってしまうからです。
私が過去の成人式で、『自由と責任、権利と義務、これがセットになった大人になってほしい』と毎年同じ内容を話していました。この様な場面では、主催者は先に述べた内容を実践しなけらばいけないと思います。そうでなければ大人である主催者は、大人である新成人に対して申し訳ない、無礼だと思います。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年1月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。