人工呼吸器ユーザーの在宅生活への懸念を払拭します

人工呼吸器ユーザーの在宅生活への懸念

私は、退院に当たって幾つかの懸念事項がありましたが、それをどうやってクリアしたかを書きたいと思います。気管切開後の在宅生活では、皆さん同じことで悩むと思うので、参考になればと思います。

(1)排便

最大の懸念はこれでした。私は元々超快便でしたが、ALSの進行に伴い便秘がちになり、退院前には自然には出なくなっていました。入院中、下剤の量と効くまでの時間の関係を知るために、何度も実験しましたが結果はバラバラでした。在宅は病院と違い、いつでも人手があるわけではありません。以上のことから、下剤作戦はあきらめました。

結論として、週2回、浣腸と摘便でオムツの中にしています。排便後に訪問入浴に入れるように予定を組み、皮膚トラブルも最小限に抑えています。退院後、今の所予定外の排便は、一度もありません。

(2)移乗

私は、人工呼吸器をつける前には、全てトイレで用を足していたので、1日5~6回は車椅子から移乗していました。ある程度慣れれば、女性2人でも出来る介助量でした。しかし、人工呼吸器をつけて、入院中に足の筋力も衰えたことから、理学療法士という体のメカニズムのプロの男性なら、何とか出来るけど、男手がない時は4~5人で移乗していました。これも、在宅で気軽にやるのは不可能です。

結論として、リフトを導入しました。冒頭の写真のように、スリングと呼ばれるハンモックに吊るした形で移乗します。スリングは、ベットで側臥位を取れば、女性2人でも入れられます。また、スリングには2種類あって、車椅子上で引き抜ける外出用と、そのままの自宅用があります。固定式のリフトなら、スペースも最小限で済みます。今の所、快適に移乗しています。

(3)服

人工呼吸器をつけると、前開きの服以外を着る時は、首を通す際に人工呼吸器のチューブの着脱が必要となります。また、普通のズボンを履くと、ベットでも車椅子でも、尿の時に脱がしづらいし、姿勢もズレてしまいます。

結論として、ベットでは上は甚平で下はオムツだけで毛布をかけています。ズボンは、知り合いの縫製のプロにお願いして、ジャージに深めにファスナーをつけてもらい、車椅子でも尿器をあてやすくしてもらいました。外出の時は、頑張って着たい服を着せてもらっています。

以上、何事も何とかなるものです!


この記事は、株式会社まんまる笑店代表取締役社長、恩田聖敬氏(岐阜フットボールクラブ前社長)のブログ「片道切符社長のその後の目的地は? 」2019年1月19日の記事を転