宮腰光寛(みつひろ)内閣府特命担当大臣(少子化対策)が、『子連れ出勤』への補助金を引き上げる方針を打ち出しました。
これは、子連れ出勤の普及活動や授乳施設拡充などを対象に、自治体向けの「地域少子化対策重点推進交付金」の補助率を現行の2分の1から3分の2に引き上げる事で、例えば、企業がベビーベッドやキッズルームを設置するなどして、子連れ出勤を可能にするなどが対象です。このように、子育てと仕事の両立を図る為の職場環境づくりを広めるために使われる補助金を引き上げようという試みです。
今回の発言には賛否両論あるようで、ネット上には「子連れ出勤よりも、保育園をもっと多く作って欲しい」とか、「満員電車に子連れでは乗れない」などの様々な意見があるそうです。しかしこの発言は、『子連れ出勤の強制』ではありません。またこれまでも保育園の新設は続けてきました。その上で、今回は新たな『少子化対策のオプション』だと思いますので、私は良い事だと思います。
また別の意味でも良い事があると思います。
昔は、子連れでの出勤を良く見かけました。商店に買い物に行った際は、子どもを背中におぶって店頭に立つママさん店員をよく見掛けました。
今でも、個人商店などでは見掛ける光景ですが、これって良い事だと思いませんか。
一緒に働く同僚にとって、また物心ついた子供にとっても、お互いに成長していく機会なりますよね。それに子供が親の働く姿を見るという事は、まさに『親の背中を見て育つ』ですよね。
全く別の話題ですが、北海道札幌市に再来年の4月、主に60歳以上の女性を対象とした『職場付き』賃貸マンションが完成するそうです。
「なんだそれ?」と思い記事を良く読むと、マンション2階にはパン工房、1階には2階で製造したパンを販売するドラッグストアが併設されるそうです。このマンションの入居者を対象に、パン工房で50人、ドラッグストアで20人の雇用を検討し、さらに好きな時間に働けるフレックス制を導入する、まさに職住接近の試みだそうです。
これ、色々と応用できる仕組みだと思います。企業の中から出てきた昨今の働き手不足を補う良い知恵ですね。
さて、『子連れ出勤』と『職場付きマンション』の双方は、全然違う内容ですが、共通している点もあります。
それは、『人の確保と職場における人の定着』です。これらの様に、様々なオプションが働き手にあり、その中から働き手が選択できる。
これ、良い事だと思います。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年1月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。