都内にある美味しそうな中華料理店をネットで見つけ、電話すると満席。いつが空いてますかと聞けば、月に一回予約日が決まっていて、その日の電話予約だけで、毎月すぐ満席になってしまうとのことでした。
実際その予約日に電話をかけてもらったのですが、3時間話中で、やっとかかった時には、既に全て満席とのことでした。
東京には、こんな予約が取れない人気店がたくさんあります。
紀尾井町のお寿司屋さんは、11月に知り合いの方に連れて行って頂き、その場で次回の予約をしましたが、ランチは3月まで、ディナーは秋まで満席でした。
ここまで予約が殺到する理由の1つは、逆説的ですが、予約取れないからです。取れなくなる恐怖から、みんなが予約する。それによって余計に予約が取れなくなるスパイラルです。
席数が少なく、人気のお店は、常に沢山のお客様が待っています。次の予約をしないで帰ると、2度と来られない可能性があるのです。
だから、取り敢えず予約を取っておいて、その後で誰と行くか決める。最悪自分が行けないの時は、グルメな友達に予約を譲ってあげる。
そんな風にして、お店の予約がプラチナチケットのように、やり取りされていく。その結果、常連とその知り合いだけで席が独占されてしまい、一般になかなかチャンスが出なくなってしまうのです。
予約が取れないという人気店の多くは、実際に行ってみて「さすが!」と思える感動があります。しかし、中には明らかに過剰評価のお店も存在します。予約が取れないお店にお誘い頂き、行ってみると「あれ?」と首を傾げるようなこともあるのです。
株式市場と同じで、レストランにもマーケット原理が働いています。テレビや雑誌で取り上げられ、予約が取れないお店となっても、手抜きをすれば目の肥えた客は容赦ありません。常に、お客様の満足度を高め、圧倒的な「価値>価格」を提供し続けなければ、いずれ過剰評価のメッキがはがれて、没落していきます。
横柄な接客になるお店、多店舗展開を始めるお店、価格を急に上げていくお店・・・。こんなお店には「バブル崩壊」の足音が近づいてきています。
飲食マーケットも金融マーケットも、短期的には間違えても、長期的にはマーケットメカニズムが正しく機能するのです。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年2月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。