都議会まもなく開会。陳情・請願審査の「継続審議」連発は許されるのか?

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

都議会の開会まであとちょうど2週間となりまして、昨日は各会派に対して提出予定案件の事前説明が行われました。

今回の定例会に提出予定の議案は約110件、注目を集める「児童虐待防止条例」も上程されます。来週には議案の条文がすべて明らかになりますので、こちらは追って詳細をご報告していきたいと思います。

さて、その後に行った会派総会(ネット中継・録画配信アリ)では、来週の議運・委員会で先んじて採決される陳情・請願の賛否について協議しました。

陳情・請願というのは議会に対して都民・市民から提出される要望書で、様式を満たせばどなたでも提出することができます。これが各テーマ毎に委員会に付託され、各会派が賛否のスタンスを明らかにして採決することになります。

議会で「採決」された陳情・請願は正式に執行機関に実行を求めていくことになりますので、いわばそれが都議会の意思表示ともなるわけですね。

参考:請願・陳情ガイド(都議会公式HP)

で、本日会派総会で取り扱ったのは、議会運営委員会で採決される「議会改革」に関わる一連の陳情6本。

先の都議選では多くの会派が「議会改革」を掲げていましたから、都民の関心は高く、定例会の度に多くの議会改革の関する陳情・請願が出されています。

「ネット中継を常任委員会だけではなく、特別委員会にも広げてほしい」
「秘密会になっている議会運営委員会の理事会を公開にしてほしい」
「継続審査や否決となった陳情・請願に対する反対理由を開示してほしい」
「議員年金の復活(厚生年金への加入)に反対してほしい」

等など。今回出されている内容はすべてもっともであり、当会派としてはすべて賛成のスタンスで委員会採決に臨む予定です。

しかしながら、これまでの流れから考えると、これらの陳情はほぼすべて「継続審議(採決せずに先送り)」となる可能性が高いのではないかと思っています。

都議会(編集部撮影)

主な先送り理由は「現在、議会改革検討委員会で議論されている最中だから」というもので、これまでも同内容を求める多くの陳情・請願が、採決すらされずに棚晒しにされてきました。

じゃあその議会改革検討委員会はどうなっているかというと、本丸である秘密会の公開や議会基本条例の制定については遅々として進まず、発災時の議員対応についてや、深夜に利用できる議員保育所の整備(!)など、よくわからない明後日の方向に議論が進んでいます(これについては後日また取り上げます)。

インターネット中継についても、今秋から常任委員会でのネット中継導入は決定したものの、オリパラ委員会など特別委員会への対応は決まっていない状態です。

こういう状態で長々とスタックしているからこそ、「早く公約の議会改革を実現してくれ!!」と都民から多数の陳情が出ているわけであって、「いま議論・検討しているから」といってその陳情から目を背ける・先送りするのは、はっきり言って単なる逃げではないでしょうか。

そもそも「継続審議」というのは、会派や各議員の姿勢を玉虫色にできる「(議員たちにとって)都合が良いもの」と言えます。

「まさに今定例会で条例として審議される案件だから、ちょっとの間だけ継続で」

くらいなら理解できますが、これを世間からの追及・批判をかわすために乱発することは疑問です。私も継続審査を選んだことがまったくないということではありませんが、やはり例外的選択に留めるべきだと思います。

議会改革を進めるのか、進めないのか。議員年金復活を容認するのか、しないのか。

各議員・会派の意志は固まっているはずです。できることはできる、やらないことはやらないと正面から答えることが大切です。

今回の委員会では、採択されるかは別として、議会改革に対する各会派の意向が明確に示されることを期待したいと思います。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、あたらしい党代表、東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出)のブログ2019年2月6日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。