3分で理解できる!地方から国政に取り組む3つのメリット

吉岡 慶太

東京都北区議会議員の吉岡けいたです。

本日は地方議員と国政についてお伝えします。

北区議会サイトより:編集部

地方議員の仕事とは、

「道路に関する住民要望を役所に届け、補修するよう働きかける」
「行政チェックのため、行政計画書を取り寄せ、疑問点を本会議で質疑する」
「保育園入園審査に落ちた区民から適正審査について問い合わせを受け、担当課に実態確認する」

などです。

一見、地味ですが、地域に根差した仕事であり、地味に日々取り組んでいます。しかし、それは実務としての一面に過ぎません。

一部の有権者、一部の団体組織、一部の利益を守るため、限られた関係の中で仕事に力を入れすぎると、「忖度では!」「しがらみ重視だ!」と厳しい意見をお受けする時代となっています。

よって、地域活動を進め、地域住民の声を聴きながらも、地方議員が国と都政に向き合うことで得られる三つの効果をご説明します。

メリット1  地域住民の意見と要望の集約を、国会議員は地方議員に求めている!

4年間の地域政治に取り組んできた中で、多くの国会議員の先生、官僚・職員とお話しする機会がありました。

よく聞いてきた国会議員の話に「地域住民の声は意外に集められない。個別の声を一人一人集め、整理する時間は取れない。地方議員でまとめてくれると助かる。」という要望が多い事です。

調べてみたところ、国会議員、および政党では地域に関する住民要望や意見、テーマごとのデータは把握ができていないことが多いと判りました。つまり、地域の餅つきや盆踊り、お祭りの行事や冠婚葬祭に関する情報(日程)は秘書が集め、住民意向は行政のアンケート調査をもって確認している傾向があります。

よって、古くて硬直的と言われる町会・自治会を通した高齢者の声が集まりやすく、一部サンプル(自治体の意向調査は人口の1%以下の数千人、北区の場合でいえば人口25万に対し2千人のみが調査対象)での住民意向データを基礎にせざるを無い状況が確認できました。

各団体・組織のまとまった要望や意見、データが欲しい。そうした一定の方向性の住民組織情報を集めた資料(名簿)が知りたい。

上記の資料をまとめてくれないかという要望が複数、国会議員関係者から受けた実体験において、これこそ社会が地方議員に期待している事ではないか?と感じました。

さらに、国の行政機関が声を集める手段はパブリックコメントや世論調査が主であり、地域住民の声をまとめて把握する仕組みはありません。

こういった状況から、積極的かつ自主的に声を集め、政治に働きかける特定の団体や企業、組織の要望が予算、事業で反映され易い実態が生まれます。

結論として地方議員が地域の声をテーマごとに集め、調査を経て国政テーマと関係づけて都と国に働きかける事が社会に必要であると確信します。

言葉を変えれば地方議員が地方住民の利益を守るべきロビイングをすべきという事です。

メリット2  政治の縦横ラインのクロス強化こそ、多文化共生を実現可能にする!

今、地方自治体全体で約62%の団体が多文化共生に関する指針・計画を策定しています。

在留外国人が総人口に占める割合は急増しており、入管法改正があった平成2年の0.85%よりも増え、現状1.9%を超えてきました。

今後、入管法がさらに緩和され、ますます在留外国人が増え、かつ観光で来日する外国人増加が見込まれます。

こうした背景の中、多文化共生社会に対応するため、政治の柔軟化が求められます。

今までのように、政党政治ありき、党議拘束の硬直性があれば、日本国内の中で民主的な政治が機能しません。

アメリカの二大政党は党議拘束が無く、法案に一人一人が賛成か反対を表明できます。

多文化共生を進めるなら、まず国内政治でお互いの政策立場を認め、討議と意見を議員個人ができる仕組みにすることが前提に必要です。

上記の広く柔軟な社会の仕組みにするために、地方議員と国会議員の組織・政党を超えた横と縦の連携を深めるべきことが解決策です。

区議会議員が都議会議員、国会議員と地域問題、国政テーマで情報共有できる仕組みを創るべきです。

実際には政党政治が支配し、選挙のたびに分断される今の現状が続くのであれば、地方議員個人で国政テーマ・都政課題に向き合い、政策に近い上級?議員との関係づくりが広がれば、政治ラインのクロス効果が生まれます。

メリット3  国政テーマという大きなタイトルの方が有権者の関心を得やすい

ある市の調査によると、「地方自治の二元代表制」を知らないと答えた人が63%、聞いたことがあるは22%。知っていると答えた人はわずか12でした。

つまり、多くの住民は地方議会の基本的制度を理解していない状況であり、地方議会改革が進まない理由の一つと考えます。

また、国政政党に所属する地方議員の割合が多い(北区議会の場合、38人中36名であり95%割合で国政政党所属区議が占める)。

こうした中、無所属議員の存在を地域住民が理解していただき、議会会改革を進める機運を高めるには、あえて「国政テーマで政策討論を地域に揚げ、国政テーマで政策論争」に結びつけることで地方政治がわかりやすくなる効果があります。

「生活保護」「児童虐待」「自然エネルギー活用」「年金」「介護」「子育て支援」については、条例よりは国の法律によって仕組みが決まる地域政策です。

政治課題。もちろん、地方議員は地域問題に取り組み活動することが仕事ですが、その地域課題の源流にある国政テーマと結び付けて地域問題を考えることで、「自身の立場をわかりやすく伝えられる」メリットがあります。

当方で言えば、

「時代に合った憲法改正を推進」
「NHK受信料問題を国民の知る権利と結び付けて放送法改正」
「水道事業の民営化に待った(自治体の責任を投げ出すこと反対)」

の3つです。

明確に国政テーマに賛成反対の立場を示し、具体的解決方法を提案し、自身の立ち位置を説明できます。

北区議会で言えば改革保守の立場であり、区議会所属38名の中で憲法改正を政策提言し、NHK受信料問題を区政課題として提示しているのは自分一人のみであることを明確にできます。

水道事業民営化に反対かどうかの姿勢は、北区議会第一定例会で当方が意見書案を提出した中で、他会派議員の態度を確認します。

国政テーマに地方議員が取り組むことで多くのメリットが生まれ、課題が明確になります。

今年4月の地方統一選挙は上記3政策で訴えさせていただきます。

国政テーマを掲げ、時代に合った憲法改正の必要性を北区民の皆様にご提示させていただき、北区の仕組みを新しくする具体的政策提案を同時にお伝えいたします。

吉岡 慶太  東京都北区議会議員(無所属)
区職員(23年間、生活保護ケースワーカー10年他)を経て、2015年から現職(1期目)