泉前市長、本当のところどうなの?出る?出ない?それによって判ります!

兵庫県明石市の泉 房穂(ふさほ)前市長の暴言・辞任が報じられています。

市の職員を罵倒して「火つけてこい!火つけて捕まってこい!オマエ、燃やしてしまえ!」と暴言を吐いたこと、これはやはり許されない内容です。この暴言、過去に死亡事故が発生した明石駅前道路の拡幅工事の為に、関係各所と立退き交渉を担当している職員と市長のやりとりが録音されていた為、発覚しました。

この録音は2年前の会話だったので、今頃出てきた事やメディアに送りつけられた音声が1分38秒のショートバージョンであったことから、意図的なリークではないか?と言われています。ショートバージョンに対し、1時間6分33秒のロングバージョンもあり、「市民の安全の為なんだ」と繰り返している様子もあり、市民から泉さんを擁護する声もあります。ただ、録音の大部分は職員を怒鳴りつけていたそうです。

子育て政策や弱者支援等については定評のあった泉前市長ですが、市長在任中の8年間の間で、職員を怒鳴り散らしていたのは日常茶飯事の出来事だったそうで、今回とは別の録音テープも存在しているそうで、もしかするとこれから世に出てくるかもしれません。

私は2月2日(土曜日)に出演した番組『Wake up!ぷらす【読売テレビ(日本テレビ系)】』で、辛坊治郎さんから私の横浜市長時代の事を問われました。
私はその時、「横浜市長時代に、職員に声を荒げた事はありました。でも、火をつけろなど、道徳的に言ってはいけない事は、例え話でも言いませんでした」と答えました。さらに、「正直、公務員は成果を上げないことで降格されることはない。すなわち、やらないことへのペナルティーを市長が課すことができないもどかしさ」、こういう行政の実態も言いました。

それでも、社会を変えようとするならば、忍耐強く我慢しないといけません。今回のよな一言を含めて隙やボロを出したらそこに付け込まれてしまう。そうなると、やるべき事、やりたい事ができなくなります。

さて、泉前市長は今回辞任をしました。
しかし、ここがどうも不可解なんです。
果たして、辞任する必要があったのか?、私は番組内で問われましたが、「わからない」としか言えませんでした。

なぜ不可解なのか。
先頃、明石市選挙管理委員会は辞任に伴う市長選挙を3月17日投票と決定しました。
そもそも、泉氏の任期満了は4月末でした。3月17日に実施される今回の選挙に辞任した泉氏もまた出馬が可能なんです。しかし、泉さんが出馬して当選した場合、任期はそもそもの4月末までとなります。

もし泉氏が辞任していなければ、4月21日投票と決まっていました。あと2ヶ月後にはどちらにしても選挙が始まっていたのです。その間、既に決まっているであろう来年度予算の審議があります。そして議会で、今回の件も市民に対して説明する機会があるわけです。

ちなみに兵庫県議会議員選挙は4月7日投開票、そして明石市議会議員選挙は4月21日、これはもともと決まっていて確実に実施されます。そして今回の辞任に伴う選挙を入れれば、この一月余りの短い期間に3回も選挙を実施しなければいけません。

泉氏が今回の選挙に出馬しなければ非を認めて潔く辞めた人、もし出馬したら選挙の為に辞めたとなります。何故ならば、出馬するということは議会でこの件について追求されることを避け、潔さを見せたふりをして勝利することであり、仮に勝利した場合は、また4月21日に選挙が実施されます。たった1ヶ月で再選挙です。

こうなったら税金は無駄ですね。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年2月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。