こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
三連休最終日の昨日、都内はかなり冷え込みましたが、渋谷区→江東区(&中央区)→港区と遊説に回りました。
ところ変わればという感じで、同じ東京都内(しかも23区内)といっても、まったく町並みも環境も、有権者のリアクションも違います。もちろん区内だってひと駅移動すれば景色が違うわけで、行く度に新しい発見があります。
足を止めて下さった皆さま、政策レポートをお受け取りいただいた皆さま、ありがとうございました!
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さて、今日は渋谷区や港区といった、私が選挙区とする北区に比べると圧倒的に若者・若い世代が多い地域を回っていたわけですが。
「若い候補者だったら、若い人が多い街のほうが闘いやすいでしょう」
「港湾地区のような、新住民が多く浮動票がある地区からムーブメントを起こすべきだ」
というご意見をよくいただきます。そういう側面もあると思うのですが、これがなかなか難しい問題でして…。
例えば、若い人がみんな大好き・あこがれの街・港区ですと、投票率は約36%(全開統一選実績)と23区中堂々の最下位です。トップスリーの文京区・千代田区・北区は50%弱ですから、15%近くも差があるわけですね。
参考:
東京23区 区議員選挙投票率の推移(昭和22年~平成27年)【データ】
投票率下位の区は「区長選と区議選がズレている」という事情もあるのですが、投票所別のデータを見るとやはり、タワーマンションが林立するなど「新住民」が多いエリアの投票率は軒並み低下しています。
妻が持っていた最新の「こうとう区報」に掲載されていた投票所別のデータをみたところ、
有明スポーツセンター:26.26%
東雲小:32.22%
豊洲北小:36.12%
などの数字が目立ちました。どこもいわゆる「タワマン地帯」の投票所です。
タワーマンション住民が顕著に低投票率になる要因は、下記のようなものが考えられます。
●若いのでそもそも政治に興味がない
●高所得層が多いので、生活に不自由を感じておらず、政治行政に興味がない
●引っ越してきたばかりの新住民なので、地域に愛着や興味がない
●海外へ飛び回る仕事についている人も多いので、選挙の時に国内にいない
●セキュリティが厳しく政治家がポスティングできないので、政治チラシを読む機会がない
etc..
こうした地域で、無名の新人が若さを武器に闘うことが果たして有利なのかどうかは、なかなか難しい問題ではないかと思います。
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つまるところ、シンプルに選挙戦略だけで考えると、
「選挙に行かない若者を動かして、自分に投票させる」
「他の人に投票している高齢者を振り向かせ、自分に投票させる」
とちらのハードルが高いかという話になります。特に答えがある話ではありませんが、私はずっと高齢者が多い北区で闘ってきたせいか、後者のほうがむしろやりやすいのではないかと感じています。
まず政治に興味があるから話を聞いてくれるわけで、地域に対して思い入れや困っていることもある。他の政党や政治家を応援してきた人でも、コミュニケーション次第では自分の応援団になってくれることはありえます。
翻って、そもそも選挙に行かない・政治に無関心層は、その「フック」となる部分から考えなければなりません。
しかも、政治家とのファーストコンタクトはポストに投函されたチラシだったりするわけですが、タワマン住民には前述の通りポスティング作戦が使えなかったりで…ネットも効果もまだまだ限定的ですしね。。
昨日もタワマンが林立する芝浦アイランドで街頭演説をしていましたが、どこまでこのスピーカーの音が届いているのか…(物理的にも心情的にも)。
もちろん、届くと信じてやるしかないわけですが。。
ちなみにタワマンって何階くらいまで、スピーカーやサイレンの音が聞こえるものなんでしょう?わかる方がいたら教えてください。←
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というわけで、「若者が多い街だからといって、若い政治家が当選しやすかったり、変化が起こりやすい」わけでは必ずしもないというお話でした。
ご自身が選挙に行かれるのはもちろんのこと、ぜひ同世代の友人たち(とくに政治家の政策が届きづらいタワマン住民!)にお声がけいただき、2ヶ月後の統一地方選挙への関心を高めていただければ幸いです。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、あたらしい党代表、東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出)のブログ2019年2月11日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。