セブンイレブンでは『おでんを口に入れた吐き出す悪ふざけ動画』、そしてくら寿司では『一旦ゴミ箱に入れた魚を再びまな板に戻し捌く不衛生な悪ふざけ動画』、このような不適切なイタズラ動画がネットで拡散されて社会問題になっています。
当然、このような動画が世間に広がれば、消費者は店の利用を躊躇し、企業にとっては大損害を被ります。アルバイトが行なっているケースが多いので、こういう人達をバイトテロと呼ぶ新しいネット用語も登場しました。
確かに、こうした動画をネットにアップする人は、その動画が社会的にどういう影響を及ぼすのかを想像できていないと思います。また、『モラルの低下』を嘆く人も多いと思いますが、それもその通りだと思います。だから『よく考えろ!』と言わざるを得ません。
しかし、バイトテロとは、『大それた事を引き起こしてやろう!』とも、思っていない所がポイントです。
実は今回のセブンイレブンもくら寿司の件も、InstagramのStoriesという機能が使われました。このStoriesという機能は15秒以内の動画がアップでき、しかも24時間で自動消滅する機能です。したがって、驚くような動画をアップして再生回数を増すことでお金を稼ぐ、今まで問題になっていたYouTubeとは違います。Storiesの場合は仲間内にこの悪ふざけを見せてやろうと、軽い気持ちでアップした動画が流出して、世の中に広がってしまっているのが今回の特徴です。
もちろん企業は来店者が減り、株価が下がり大損害を被ることから、くら寿司では当該バイトを退職処分にした上で、法的処置の準備を検討しました。確かに、数千万〜数億円の損害賠償を求められれば、当人は反省するでしょうし、他店舗や他企業においても事例として紹介し、このような行為をした場合、今回と同じ結末があるので、絶対行なってはいけない行為であることとして、抑止力にもなるでしょう。
企業は、「社員教育を徹底して再発防止に努めます。」というセリフをよく耳にしますが、私たち消費者からすれば、「社員ではなくて、どうせバイトでしょ」って思うおところもあります。
今回ネットには、傾聴に値するよなと意見がいくつか見られました。というのは、このような騒動が時給の低いアルバイトが起こしているという意見です。
今回のセブンイレブンもくら寿司もその地域の最低賃金でアルバイト募集をしている店舗だそうです。時給が安い腹いせや、質の悪い人しか来てないから等の短絡的なことを言うつもりは毛頭ありませんし、だから仕方がないと言っているわけでも、もちろんありません。
『アルバイトなんてどうせすぐ辞めるし、また採用せざるを得ない』という『人の使い捨てが問題を起こしている』という意見です。そこそこの時給で募集されているホテルの宴会場や夜の世界、こうした類のアルバイトからはこうした悪ふざけ動画は出ていないとの事です。
この傾向がこれからも続くかどうかは、ちょっと推移を見守らないとわかりません。ただ、『人を使い捨てにする会社、そしてその会社に採用された人が会社の事を大切にしようと思うか?』と言われれば、そうではないと思います。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年2月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。