中国AI企業視察:身にしみる日本の遅れ

18、19日と北京での第8回日中議員会議に出席してきた。19日は会議と中国共産党序列3位の栗戦書氏への表敬訪問&意見交換。一昨日は中国企業の視察だったがショックを受けた。ここまで進んでいるのか。先日の経済同友会小林代表幹事の「日本は遅れた」 発言が身にしみた。

北京での視察の1社目は2011年に創業の「メグミー」という顔認証の開発会社だった。従業員平均年齢26歳の若い会社。顔をカメラに向けると性別、年齢を宛てる。68歳の私の年を64歳と判断していた。巡回員の手を借りず、防犯カメラを通して駐車違反の検挙をしたりテロリストを割り出し逮捕する。この顔認証やロボットのAIを使ってコンビニ従業員を10分の1に減らせるとのこと。

次のスーパーでは、決済のためにアプリとQRコードが必要だったが、第2世代として顔認証だけで完了のシステムを導入しているとのこと。AI技術の実用面では日本はどんどん遅れていっている気がする。メグミーが開発を行っている分野で日本企業が対抗しようとしても個人保護法が尊重されているわが国では難しい。

AIを発展させるといってもビッグデータが関与する分野はGAFAや中国企業にかないっこない。日本はブロックチェーン/仮想通貨の世界に力を入れるべきだ。それには税制変更が重要。

ちなみに、メグミー幹部に「政府からの補助金は必要か?」と聞いたら不要と答えた。政府が資本市場さえ整備してくれたら金はいくらでも集まるとのこと。財政が最悪なのにゾンビ企業生き残りのための補助金をバラまく日本政府に聞かせたい言葉だ。政府の仕事は企業が働きやすい税制や環境の整備だ。


編集部より:この記事は、経済評論家、参議院議員の藤巻健史氏(比例、日本維新の会)のFacebook 2019年2月21日の記事を転載させていただきました(今回は複数の記事を編集部で合併)。転載を快諾された藤巻氏に心より御礼申し上げます。