全国的に2019年4月入園の申し込み結果が発表されています。
保育園の入園と言えば、誰がどこの保育園に入園とするかという選定作業が非常に複雑で大変なため、申し込みの締め切りから結果発表までおよそ2か月間もかかっています。私の地元、東京・港区の場合、一次申込が、2018年12月14日締め切り、2019年2月7日結果郵送となっていました。
どうしてこんなに時間がかかるのでしょうか。
まずは保育園の入園が決まるまでの流れについてです。
・入園申し込み
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・保護者から保育園入園の申し込みを受理
・申請書類等の内容を審査
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・申請内容をシステムに入力 = 一ヶ月間
(紙の資料をシステムへ手入力・このときにポイントが確定)
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・入所会議の資料を出力
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・入所会議
内定園の振り分け作業
(区の職員が手作業で紙の資料をもとにExcel入力)=500時間!!
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・システムへ入力
保健福祉総合システムへ入所会議の結果を入力
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・結果発表→入園決定
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・待機通知
↓ 約一週間
・二次希望園変更申請
保育園の入園決定までは上のような流れで行っています。
今の選考は、区役所の人がなんと3日間かけて下線部の作業を手で行っているのです。
これは、点数に加え優先順位などを参考に選考することから、複雑で膨大な作業量になっています。また、皆様の情報をシステムへ入力する作業には1ヶ月間もの時間を有します。
これにより、結果発表が遅くなり、結果発表から二次申請の間に希望園を選ぶ時間も少なくなってしまいます。
今年は2月7日に結果郵送、2月14日に2次申込の締め切りと、1週間もない大変タイトなスケジュールでした。
今回の2019年4月入園の作業ではまだ導入されませんが、この選定作業を短縮し、区民の皆様に結果をいち早くお届けするためにやっと2019年の10月から保育園入園の選考作業にAI(人工知能)を導入することになりました。
これまで3日かかっていた選定作業がAIを導入することで、なんと約5分でできるようになるそうです。AIによる保育所選考は都内初の取り組みです。
この取り組みにより、
・入園内定発表を早めることができる!
・人件費はおよそ400万円削減できる!
・そのため、区民のみなさんや子どもたちにより良いサービスを提供できる!
というようなメリットが生まれます。
しかし「AIに任せるのは不安じゃない?」「AIは本当に正確なの?」というご意見もあるかと思います。
実は港区では2018年5月に開発事業者と認証実験を繰り返しており、1回目の実験では職員選考との一致率は、システムの不具合なども重なり、85%でした。
港区からより質の高いデータを提供するなどさまざまな検証を重ねていった結果、5回目ではなんと、100%の一致率となりました。この結果により、このAIシステムが有効であることが実証されました。
今回のAI導入で短くなったものの、選定期間約2か月間の中の3日間が5分になったわけです。電子申請など、これから取り組むべきことは多くあります。
保育園の選定期間をより短くするためIT技術を利用し効率化できることはどんどんITや民間への外注など活用していくべきだと、今後も港区に対して提案してまいります。
最適な保育所入所選考を実現するAIを用いたマッチング技術を開発(株式会社富士通研究所 PRESS RELEASE)
港区議会では現在2019年第一回定例会が始まっており、今回は行政が提出してきた2019年の予算案について審議を行う予算委員会も開会します。この保育園入所事務にAIを導入する予算として2,796万円の予算が提案さてれおり、推進していくための質疑を行います。皆さまからのご意見・ご要望お待ちしております。
榎本 あゆみ 東京都港区議会議員(国民民主党)
1983年生まれ。聖心女子大学卒業後、起業家支援のDREAM GATEでの勤務を経て起業。単身で上海に渡りビジネスを展開したあと、国際社会での日本の存在感の低下に危機感を感じ、政界入りを決意。2015年、実家のある港区議会議員選挙に立候補・初当選。保育園、保育関連事業を経営する一方、自らも保育士資格を取得。2018年3月、第一子を出産。公式サイト