今週のつぶやき 企業ニュース・セブンイレブン・東京新聞

岡本 裕明

米朝首脳会談の余韻がまだ冷めやらぬところですが、金正恩委員長は相当頭が痛いかもしれません。おまけに政府転覆を狙う脱北者のグループが韓国で旗揚げしたなどと聞けば「ここに乗じて…」という内部からの鬱積した不満が噴出するかもしれません。あの決裂は相当大きなインパクトになる可能性を秘めていると思います。

さて今週のつぶやきです。

企業関連ニュースが面白くなりそうだ!

このところ、あまり話題にならなかった企業のM&Aですがここにきてぽつぽつ出てきました。まず、三菱UFJがドイツのDZ銀行傘下の航空機ファイナンス会社を買収すると伝わっています。買収金額は7000億円。航空機リースの事業など一般の方にはほとんど無縁だと思いますがこれは儲かるビジネスなんです。

私はカナダの航空機リース会社に投資していますが、配当は8%ぐらい頂いています。この手の事業は二けた利益は固く、中期的に世界の航空機はひっ迫で需要は極めて高い業種です。三菱UFJは目の付け所がよかったと思います。

そして大御所、ウォーレンバフェット氏率いるバークシャーがアメリカのサウスウエスト航空の買収意向か、と噂されています。バフェット氏は最近、大型買収をすることを匂わしていましたので本当かもしれません。

もう一つ、日本では全く話題になっていませんが、世界最大級の金鉱山会社、ニューモント、ゴールドコープ、バリックゴールドの3社が買収巴合戦を展開しており、業界で大きな注目となっています。米ニューモントは加のゴールドコープを買収すると発表、それに対して加のバリックがニューモントを敵対的買収すると発表しています。金鉱山会社の頂上決戦です。食うか食われるか、数兆円が動く海外の企業間バトルはプロレス並みです。

セブンイレブンの苦悩

「もう24時間営業なんてやってられない」。これがセブンの経営者の正直なボイスなのでしょう。夜勤をやってくれる人を探すのは至難の業です。オーナーが自分でカバーするも、体力が続きません。にもかかわらず本部は「24時間営業しないなら違約金払え」です。世の中の実情を勘案せずに杓子定規に契約だから、と突っぱねるのは日本が契約文化を取り違えているところです。

Wikipediaより:編集部

契約は何でも正か、といえばNOです。北米の裁判は判例主義。その判例は社会などの実情を反映したケースが多く、契約内容が社会一般規範にそぐわなければ契約が盾にはならないのです。仮に北米風の発想を日本の裁判所に持ち込んだ場合、セブンは負ける公算が高いと思います。

契約書は社会の変化に応じてどんどん書き換えられるものです。何十年も前の契約書を盾に譲らぬ、ではビジネスも硬直化するでしょう。そういえば前回、日本に行った時、住宅街にあったコンビニが跡形もなく消えて更地になっていました。オーナーが廃業という選択肢をとるとすればセブンは負けになります。私はセブンは折れるとみています。多くの店がもとの7時から23時の経営になるかもしれませんね。

菅官房長官の天敵

菅官房長官は東京新聞を死ぬまで嫌いだと思い続けるでしょう。記者会見で執拗な質問を浴びせる同紙の望月記者とのバトルは本当に長く続いています。望月記者も意地なんでしょう。私も本件に関するいろいろな関連記事を過去から一応、目を通していますが、「知る権利」を振りかざす望月記者の意味が私にはよくわからないです。

官邸サイトより:編集部

例えばトランプ大統領の記者会見の際の質疑応答。質問者の質問が終わらないうちに答えはじめ、端的に返答したと思ったらさっさと次の質問者に切り替えていきます。とにかく、数をこなし、なるべく多くの質問に限られた時間内で答える、という趣旨に見えます。

日本では質疑応答の際、回答する側が答えた後、「これでお答えになっているでしょうか?」とわざわざ確認作業をします。自分も講演の際にはそうすることもあるのですが、バカ丁寧だよなぁ、と思わずつぶやいてしまいます。

記者会見の質疑の場は内容に沿ったものについての補足的説明であり、官房長官のそれはもっとプロフェッショナルなレベルにあるべきで、望月記者は明らかに勘違いをしています。突っ込んだ話を聞きたいなら別枠でインタビューを申し込んでそれを受けてもらえるならやる、それが筋だと思います。望月記者には学んでもらいたいと思います。

後記

来週あたりには米中貿易交渉の最後の山場、トランプ大統領と習近平国家主席の会談日程が上がってくるとみています。アメリカ側の実務者ベース調整はほぼ終了に近く、あとはトップ会談を待つばかり。ただ、中国は全国人民代表大会が3月5日から15日頃まであり、たぶん3月下旬のスケジュールになるのではないでしょうか?それまで様々な思惑が巡りそうです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年3月2日の記事より転載させていただきました。