平成最後となる都議会「第一回定例会」初日の2月20日、築地市場跡地をめぐって議会が紛糾、前代未聞のあわや流会も危ぶまれ、日付を超えて21日にずれ込み終了時刻は午前2時を過ぎ、都民にも大顰蹙を買っている中、2月28日、私の一般質問も無事終了しました。(動画はこちら)内容については、順次わかりやすくお伝えしますので楽しみにしてください。
さて、昨日は、雨の中東京マラソンが開催され、表彰式で小池百合子知事がポケットに手を入れたまま、オリパラホストシティの“ガバナー”にあるまじき態度であったと物議を醸しております。
昨年第三回定例会一般質問にて、知事の学歴報道について質疑をしておりまして、詳細は過去blog小池知事カイロ大卒業証書を都議会で提示せず。を御覧下さい。これを受け、第四回定例会で文書質問で二の矢を放ちました。世界一の国際都市を目指す東京都知事小池百合子とは何者なのか?!世界中の注目が集まる中、その一端がわかる回答を得ましたので公表いたします。
卒業証書類示さず“それ以上でも以下でもない”
先の第三回定例会にて、私は「知事においては、知事選よりカイロ大卒業につき疑惑がもたれております。オリパラを踏まえ、ホストシティの知事が公職選挙法235条に抵触する学歴詐称を疑われていることは東京都、都民にとって大変に不名誉なことです。日本の首都東京の信頼回復のため、知事ご自身で説明責任を果たされ名誉回復をされ、堂々と卒業証明書と卒業証書の提示をお願いいたします。
知事は「エビデンス・ベースによる評価」を重要視されていることからも卒業を示す「エビデンス」を都民に提示されない場合は、理由を明快にお示しください」と質したところ、知事は
「先の定例会でも申し上げました通り、私は1976年の10月にカイロ大学を卒業いたしております。大学の発行した卒業証書および卒業証明証書につきまして、これまでも公にしております。また、大学側も正式な卒業について、いくども認めている。」
とし、証明書類の議場での明示を避けられたことから
「メディア等の学歴報道が正しくないのであれば法的措置も含めて、毅然とした態度をとられるのが政治家として本懐です。どのような対応をされ今後疑惑を晴らしていくのか先の知事選で支援した都議として改めてお答えいただくよう強く求めます。」
と再質問しましたところ、
「度々のご質問でございますが、先ほど申し上げました通り、私のカイロ大学卒業は、すでに大学側も、正式な卒業について、いくども認めているところでございまして、それ以上でも、それ以下でもございません。」
との答弁でした。
教授の言葉をうのみにして、首席と標榜
また、知事は自身の著書「振袖、ピラミッドを登る」では「1976年10月、日本人として二人目、女性では初めて、しかも主席で(カイロ大学)を卒業」と著者紹介されており、本年第二回定例会では自民党代表質問にてその真偽を質されると
「首席につきましては、当時の担当教授の言葉をうのみにしたということでございまして、そのことでうれしくなって、その旨を記述したということでございます。」
と答弁しています。カイロ大学といえば日本でいえば東京大学に匹敵するエジプトの最高学府なはずですが、日本の首都東京の1300万都市の東京都知事がその大学の成績を「うのみ」にして安易な発言するようなことがあっていいのかと耳を疑いました。これだけ疑義が出ている学歴問題に関して、東京都と都民の信頼回復のために本会議場でなぜ提示することができなかったのか、拒否する意味があったのか、とても理解ができませんことから以下の確認をさせて頂きます。
エジプト留学時系列経緯
1. 1972年10月にカイロ・アメリカン大学に入学したということですが、取得学位は何か、修了証書は存在しているのか、卒業年月日はいつか、それぞれご説明下さい。
「回答」
・1971 年10 月にカイロ・アメリカン大学へ入学し、1年間、アラビア語を学 んだ。
・その後、1972 年10 月にカイロ大学へ入学したことから、カイロ・アメリカン大学の修了証書等は存在しない。
★お姐注:カイロ・アメリカン大学は、中退ということですね。
2. 1972年10月に国立カイロ大学に入学し1976年10月に卒業したとされていますが、間違いはないか、1年生から入学をしたのか、また学部・学科はどこで何を専攻したのかご説明下さい。
「回答」
・ 1972 年10 月にカイロ大学の第1学年へ入学し、1976 年10 月に、文学部社 会学科を卒業した。
3. ご著書の中で「1年目は落第し」とありますが、1年留年したのであれば、卒業は1977年となるはずですが、この点につきまして経緯を時系列でご説明ください。
「回答」
・大学当局の指導の下、最終的には追試を経て、1976 年10 月、カイロ大学の 卒業に必要な条件を満たし、卒業した。
★お姐注:落第しても留年せずに「カイロ大学の 卒業に必要な条件を満たし」て卒業??!!その「条件」とは何か、新たな真相究明の材料発見!
4. もしも一年留年して1976年に卒業したのであれば3年分の教育しか受けていないことになります。にわかに首席で卒業とは考えにくく思われます。代表質問への答弁では、「首席につきましては、当時の担当教授の言葉をうのみにした」とのことですが、これは首席で卒業していなかったという意味にも取れます。
過去に公表した「卒業証書」には「1976年10月に文学部で行われた試験結果『良』の成績を収めたので大学議会はリセンス(文学士)学位を授与することを決定した」と書いてあったと報道されています。首席で卒業したのか、していないのか、それを証明する書類は存在しているのか事実をご説明下さい。
「回答」
・ カイロ大学の卒業時に、教授の一人から、成績はトップだと言われた。
・このまま大学院に進んだらどうかと言われ、そのことを著書に記したもの。
★お姐注:「首席卒業」知事の言うところの「エビデンスベース」では示されるものはなく、教授に口頭で言われただけ、つまり「オーラル(口頭)ベース」ということがわかりました。 事実かどうか回答をはぐらかしてますので、これもまた質す材料となりました。
5. 「卒業証書」で記された試験を受けたという1976年10月はサダト大統領夫人のアテンドのため10月9日以降を日本で過ごし当時の東京新聞インタビューでは「9月に卒業した」と語り、産経新聞では「卒業式を終え」帰国したと書かれています。大学の卒業時期は、社会通念上本人が間違うわけがないのに齟齬が生じていることを不可思議に思います。試験はいつ行われたのか、真の卒業はいつなのか事実をご説明下さい。
「回答」
・大学当局の指導の下、時期は明確に記憶していないが、追試を経て、1976 年10 月にカイロ大学を卒業した。
・卒業の時期は、卒業証書や卒業証明書が示すとおり。
★お姐注:自分の卒業した年月日を明確に記憶してない人はまずいないと思います。著書にも苦労したことが書かれているように、苦学したのならなおさらです。これもまたはぐらかしてますね。
6. 小池知事は、情報公開を一丁目一番地の政策を掲げたことで都民の絶大なる信頼と指示を得て、都知事当選を果たし都民ファーストの会の代表として都議選も大勝をしました。「卒業証書」と「卒業証明書」を、これまでも公にしてきたといっても、マスメディアに示すにとどまります。
学歴は、詐称をすれば公職選挙法の虚偽事項の公表罪にあたる疑いがもたれています。「口頭でいくども認めていればよく、それ以上でも、それ以下でもない」という軽々しいものではありません。
都庁の職員試験も、国政政党の公認申請においても証明書類提出が義務付けられるものです。東京都民の税金で報酬を頂く都知事なのですから、「大学側も、幾度もこの卒業を認めている」にとどまらず、都民が認めるように努め、都民の代表が質疑をする都議会及び東京都ホームページ、広報等にてノーエクスキューズのエビデンス・ベースの一目瞭然の現物の「情報公開」をしていただきたいと考えます。
今後都民へ向けてのカイロ・アメリカン大学の修了書、カイロ大学の「卒業証書」と「卒業証明書」の情報公開をする予定はないか、しない場合はその理由を述べてください。
「回答」
・カイロ大学が発行した卒業証書及び卒業証明書は、これまでも公にしてお り、改めて公開する予定はない。
★お姐注:5. の回答で「卒業の時期は、卒業証書や卒業証明書が示す」と言っているのに、証書類を都民の代表のいる都議会の場で公表していないわけですからその真贋も判断ができません。エビデンスを明示せず、これもはぐらかしてますので、現物を出すように懲りずに求めてまいります。
小池知事のカイロ大卒業証書・卒業証明書を公表してもらおう!
昨年10月9日、小池知事は、ハレド・アブデル・ガッファール エジプト高等教育大臣と都庁で面会されています。「高等教育」といえば大学。おそらく大臣もカイロ大の卒業生でしょうから先輩後輩として、さぞかし卒業することの大変さなど話が弾んだことでありましょう。
ということで!!お姐は議会で追及しておりますが、都民の皆様におかれましては、
都民の声総合窓口へ小池知事にカイロ大学卒業証書&証明の公表を求めることができますよ!
お姐総括!
昨日ひな祭り。昨年目黒区5歳女児虐待死報道から1年が経とうとしております。後手後手に回った東京都児童相談所の対応によって、尊い命が失われたことは都議会議員として申し訳ない思いで一杯です。昨年の第一回定例会では事件直後であったにも関わらず、質問で取り上げたのは、情けないことに私だけでした。(児相虐待全件を警視庁と共有を!お姐質疑NHKニュースへ)
その後「おねがい、ゆるして」ノート発見、養父の二度の書類送検、大麻所持判明後我も我もと声を上げる議員続出。当時生温い意見書を小池知事に渡した議員は、野田市女児虐待死事件を受けて猛省を求めたい。
社会問題となり都条例制定、政府は懲戒権の見直し他関連法の改正の動きとなりましたが、命の礎なくどうして出来ないか。
都政事業はエビデンスベースと言っていながら自身の学歴についての疑義を晴らすためのエビデンスを示さず、雨に打たれる選手をポケットに手を入れたまま静観し、東京マラソンの表彰式に臨む知事。この方、小さな命を死に物狂いで守る覚悟や人間愛があるのか。甚だ疑問に思います。
引き続ぎ議会人として「エビデンスベース」で対峙してまいります。
三の矢もお楽しみに♪
編集部より:この記事は東京都議会議員、上田令子氏(江戸川区選出)のブログ2019年3月3日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は上田氏の公式ブログ「お姐が行く!」をご覧ください。
おしらせ:「小池都政迷走」の原稿を募集中です
アゴラでは、2019年3月、「小池都政迷走」をテーマに皆様のご意見を募集中です。都議会空転の原因となった市場問題への対応など、小池知事の政治手法そのものへの評価はもちろんのこと、都議会議員の対応、さらには小池ブームを主導したマスコミの都政報道や、小池氏を選んだ都民の判断などについて、みなさまの忌憚のないお考えをお尋ねします。東京以外の地域の皆様のご意見も歓迎です。
投稿は800〜2000字。お名前・ご所属・肩書・簡単なプロフィール(100字程度)などを記載して、メールに直接書いてただいても、テキストファイル、ワードファイルの添付でも構いません。なおペンネームの使用は原則認めておりませんが、著述活動の実績等で特例を認めることもありますので、編集部にご相談ください。
投稿を希望される方はアゴラ編集部(agorajapan@gmail.