こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
昨日は財政委員会において、ここまで紛糾してきた「築地市場跡地の有償所管換え」を含む補正予算案が採決されました。
小池知事一問一答の質疑経過などを見て、当会派としても熟慮を重ねた結果、現時点で本案に賛成することはできないとし、反対・否決に回りました。
事実上の「知事与党」である都民ファ・公明は早々に補正予算案賛成を表明しており、共産党は反対に回ることは当初からの想定通り。
最後まで去就がわからず、注目を集めていたのは都議会自民党です。
というのも、今回の補正予算案には築地有償所管換えの経費だけではなく、他の都政運営に関わる予算も「パッケージ」で含まれており、単なる野党ではなく「責任政党」を名乗る自民党にとって、極めて反対・否決しずらい内容となっていたからです。
約5,400億円にもなる案件を、単独で切り出さずにこうした形で補正予算案として上程してきた知事のやり方は、やはり誠実なものではないと言えます。
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迎えた昨日、委員会採決の直前まで自民党の議員総会が行われていましたが、最終的な判断は「反対(否決)」。
推察ですが、ここには二階幹事長発言も大きく影響していたのではないでしょうか。
二階幹事長、小池都知事の再選を支援「全面協力は当たり前」 – 毎日新聞
このタイミングで一昨日4日に飛び出したこの二階発言は、メディアでも大きく報じられました。自民党都連は強く難色を示していると言われています。
ここで、補正予算案に都議会自民党が賛成してしまったら、世間からどう思われてしまうか?
完全に、自民党と小池知事は「手打ちをした」という見方が主流となり、既成事実になってしまった恐れもあります。
それは自民党都連・都議会自民党としては絶対に避けたかったはずですし、最終の議決態度に影響を及ぼした可能性はあると思います。
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今日の本会議で、多数派の「知事与党」によって本案可決が避けられないとしても、第二会派・自民党が反対に回るインパクトは大きく、野党サイドとしては率直に心強い(?)ことです。
補正予算案審議は一段落しても、これから始まる「予算特別委員会」こそがむしろ本番ですから、そこに至る布石は打たれました。
経済港湾委員会の一問一答質疑で、今月の都議会は終了ではないのです。
引き続き、他会派とも連携すべきところは連携しながら、市場移転問題や都政全般を少しでも是正できるよう、議会から突き上げて参ります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、あたらしい党代表、東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出)のブログ2019年3月5日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。
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