人気バンド「電気グルーヴ」のメンバーで、近年は俳優としても活躍中のピエール瀧(本名・瀧正則)容疑者(51歳)がコカイン使用容疑で逮捕されたことが13日未明、明らかになった。NHKが午前0時過ぎに速報した。そのNHKで現在放送中の大河ドラマ「いだてん」にも出演中の滝容疑者の逮捕とあって、逮捕の一報に未明のネットが震撼した。
滝容疑者を逮捕したのは関東信越厚生局麻薬取締部。いわゆる「麻取」「麻薬Gメン」だった。
NHKの速報などによると、麻取は滝容疑者が薬物を使っているとの情報を得て内偵中だったという。12日、家宅捜査と任意同行に踏み切り、尿検査の結果、コカイン使用の陽性反応が出たため、滝容疑者は麻薬及び向精神薬取締法違反(使用)容疑で逮捕された。調べに対し、滝容疑者は「コカインを使用したことに間違いない」と容疑を認めている。
芸能人による薬物使用事件は後を絶たず、この約5年だけでも俳優や元プロ野球選手、ミュージシャンのビッグネームが相次いで起訴・有罪判決を受けてきた。ほかにも歴代の逮捕者で大物芸能人も含まれてきたが、放送中の大河ドラマに出演する俳優が逮捕される事態は極めて異例だ。
滝容疑者は「いだてん」で主人公の金栗四三(演・中村勘九郎さん)が愛用するランニング用の足袋を作る播磨屋の主人、黒坂辛作を好演していた。次回17日時点のストーリーでは、金栗が日本人初の五輪出場となったストックホルム五輪のシーンに差し掛かるところで、黒坂の出番は金栗の帰国後にまだ続くものとみられる。このため、ネット上も「いだてん」の放送に影響が出ることを危惧する声が続出した。
お笑い芸人の阿蘇山大噴火さんは「逮捕は結構ショッキング」「いだてん大丈夫かな。。。」と憂慮。
さらに阿蘇山大噴火さんは、先ごろ女性への暴行事件で逮捕された俳優の新井浩文容疑者が昨年8月に、滝容疑者と一緒にいるところをツイートしたのをリツイートし、フォロワーを驚かせていた。
また、漫画家の北崎拓さんは同じクリエイターとして製作陣を気遣った。
一般のネット民からは代役を立ててでも放送継続を望む声も相次いだ。気の早い人からは具体的な代役名を挙げる声もあった。
「いだてん」は初回の視聴率こそ15.5%(ビデオリサーチ関東地区)をマークしたが、その後は大不振。第6回に2桁を割り込み、10日放送の第10回は8.7%(同)に沈んだ。大河ドラマは民放のドラマと違い、視聴率の不振を理由に途中で打ち切りは原則ないとされるが、重要な役どころで出演中の俳優が逮捕され、容疑を認めているという緊急事態が、大河史上かつてない危機へと追い討ちすることになった。
なお、放送中の大河ドラマで代役が立てられた事例として有名なのは1974年の「勝海舟」だ。主人公の勝を演じていた渡哲也さんが病気で途中降板。第10回から松方弘樹さんが代わりに勝を演じた。