こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
都議会が予算特別委員会の真っ只中ではありますが、堺市議会がとんでもない結末を迎えたようです。
関西地区以外でほとんどニュースにならないのですが、堺市長・竹山修身氏の政治資金収支報告書に数千万単位での記載漏れがあったり、禁止されている団体献金が発覚するなど混迷が続いてきました。
橋下徹氏が指摘するように、これだけの金額の不記載が見逃されるなら、政治敷居収支報告書とは何なのかという話になります。
もちろん市長と対峙する市議会があるわけですから、市長が自ら身を引かない場合、不信任案の可決は避けられないだろうと思っておりました。
ところが。
冒頭のニュースの通り、堺市議会が可決したのは「問責決議案」。第一会派である維新が提出した不信任案は、賛成少数で否決されたとのことです。
「問責」というとなんだか重大事案のように見えますけど、これは法的拘束力がまったくない「議会の意思表示」に過ぎません。簡単に言うと「お叱り」みたいなものです。
「私的流用は私の政治信条からしてありえない」
って、領収書も揃ってないのにそれを信じろという方がどうかしていると率直に思います。
舛添問題を引くまでもなく、「政治とカネ」に極めて厳しくなっているご時世に、これだけのことをやらかした市長が「問責決議」のみ。
これはさすがに、一般の有権者感覚から離れすぎているのではないでしょうか?
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勿論、議会がこうした対応をするのには、堺市の政局事情があります。
維新VS反維新で激しく市長選が争われた結果、現市長は維新「以外」の勢力が担いだ市長です。維新を除く会派は
・このまま辞職させてしまったら「維新を利する」ことになると判断した
・自分たちも来月改選を控えており、「製造者責任」を問われることを避けたい
という思惑があることは明白です。それでは、単なる自己保身と政局に走っているという批判は避けられないでしょう。
もちろん、市長の辞任を強く求める維新サイドにしても、政治的な思惑はゼロではないと思います。
ここで市長を辞任させて、来月の統一地方選に堺市長選挙もぶつけることができれば、クロス選挙・大阪都構想にさらなる弾みをつけることができるからです。
しかしながら、仮にそういった思惑があったとしても、今回は辞任を求めている維新会派の対応がもっとも真っ当なものに思えます。
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いずれにせよ、堺市議会は会期延長することなく閉会し、このまま統一地方選(市議会議員選挙)に突入するようです。
保身のために未曾有の不祥事を見過ごした議員たちは誰か。政治倫理として、そうした行動が許されるのか。
それを判断するのは堺市民の皆さまですが、この「前例」は今後の「政治とカネ」問題に大きな影響を与えることになりますので、私も注視していきたいと思います。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、あたらしい党代表、東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出)のブログ2019年3月13日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。