世の中を席巻したAKBは時代の幕を閉じたのでしょうか?毎年6月頃に開催される総選挙も今年は中止、そのテレビの視聴率もこの数年めっきり低下していたのは「もう誰だかメンバーが分からない」から。AKBを卒業したのはメンバーだけではなく、ファンも卒業したのでしょう。そして昨日の派生グループ、NGT48の山口さんをめぐる事件の第三者委員会の報告を受けた記者会見は当の山口さんが会見途中にツィッターを連投、実に醜いものとなりました。これも時代の流れですか?
さて今週のつぶやきです。
景気と世の中のトレンド
昨日のブログでアメリカの金融政策が180度転換した、と記しました。そしてその運転の舵の切り方がへたくそだ、とも申し上げました。金融政策でも企業経営でも政治家でも世の中の動きがここまで早くなるとアンテナを何本も立ててその風向きを見て先手先手で対策をとる必要があります。
金融政策立案者は経済統計などをもとに論理的に判断するとされますが、その時点ですでに3カ月程度実態から遅行しています。民間が調査する企業景況感調査もありますがこれも社長さんに「オタクどうですか?」と聞くわけです。社長は部下に「どうなんだ」と聞き、月次売上あたりから判断せざるを得ず、これでも2カ月程度は遅行してしまいます。
今何が起きているのか、これはもう、現場を見て流れを読み、そのうえでその先を予想するしかありません。これは世の中のトレンドの先を読むという意味で今までの「結果から判断する方式」から先読みする工夫をしないと誰でもへたくそな舵取りをせざるを得なくなります。感度を上げるにはどうするか、部屋にこもっていてはだめです。本を読んでも答えは出てきません。風に吹かれ、匂いを感じ、あらゆるものに興味を持つことだと思います。
英国劇場、傷つけられたプライド
英国人はプライドの塊であります。世界の金融の頭脳はNYではなく、ロンドンにあります。金持ちもNYではなくロンドンにいます。大英帝国の影響力とは英国の骨とう品にべらぼうな価格をつけるのと同様で現在でも英連邦としての価値を高めに誘導しています。
そんな中、EU離脱に関して英国の要望にNOを突き付けたのがEU首脳であります。英国としては「まさか」であったかもしれません。メイ首相の3か月延期案はわずか2週間程度の延期しか認められませんでした。特にこの強硬策を主導したのはフランス マクロン首相とされ、ドイツのメルケル首相は言葉少なでこれを容認する姿勢だったとされます。
何度も繰り返される結末なきドラマにメディアも最近は盛り下がってきているように感じます。まだすべてのシナリオが残されていますが、個人的には長期延期選択→国民投票再度実行→離脱不成立→何もなかったように英国は昔のようにふるまう、という気がしてなりません。英国はそういう図太さを持った国です。
お疲れ様、イチロー。私が次にしてもらいたいこと
近年の日本のスポーツを通じてこれだけ長期間、多くの人を感動させた点において彼ほどの人間はいないと思います。プロスポーツ選手はどうしても選手生命が短いものです。それに対してイチローは自分のスタイルを一度も曲げることなくまるで100キロマラソンをひた走るようにゴールしました。まずはお疲れ様、と申し上げたいと思います。
そこで話題になるのが彼はこれから何をするのか、であります。人の人生なので回りがどうこう言うわけにもいかないのですが、私の個人的希望を申し上げます。それは野球を通して得た精神論や修行、積み上げといったあらゆる人に求められる芯の強さを教える先生になってもらいたいと思います。
私はインタビューは見ていませんが、監督就任の可能性について「監督は絶対に無理。人望がない。それぐらいの判断能力はある」と本人が会見で述べているようです。人望がないかはわかりませんが、彼がスペシャリストであることは確か。監督やテレビのニュース解説者のように口八丁手八丁、広い見地からどうのこうの、というタイプではありません。むしろ不器用なぐらいです。彼はいつも山にこもってストイックに生活している修行僧だと思っています。そういう意味ではファンからは怒られそうですが、野球から離れてもいいのではないかと思っています。
ただ、その前に奥さんの弓子さんと半年か1年ぐらい世界旅行をされたらよいと思います。それはここまで支えてくれた奥さん孝行という意味とバット以外の世界をもう一度見てもらいたいからです。45歳というのは二度目の人生を送り始めるには最高の年齢です。その気持ちを切り替えるにはもっと違う山に登って修行すればもっと違う世界を切り開くことができると思っています。
後記
桜が咲く時期になりました。ここバンクーバーも桜が多い街で街路では美しく咲き乱れ始めました。この時期になると何か新たな気持ちをもってやってやろう、と思う人もいるのではないでしょうか?春の息吹とも言います。今年は特にひと月後に迫る大きな時代の変わり目を迎えることもあるでしょう。新たな気持ちで新年度を迎えたいものですね。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年3月23日の記事より転載させていただきました。