進む復興、残る課題

この週末は、東北各県で復興関連のイベントが目白押しです。岩手では、三陸鉄道が今日23日にいよいよ全線開通します。明日24日には女川町で最後の復幸祭が開催。また福島でも本日、復興についての県民シンポジウムが開催されます。

Photo by djkazma

岩手 三陸鉄道リアス線きょう開通 | NHKニュース
女川町の復興計画完了で、最後の復幸祭(河北新報)
「ふくしま復興を考える県民シンポジウム2019」を開催します!(福島県ホームページ)

一方で、復興に関しての気になるニュースもありましたので、紹介します。

東日本大震災からの復旧・復興が進んだと感じる県民の割合が、沿岸部で前年に比べて減ったことが2018年の県民意識調査で分かった。14年以来の減少で、ハード事業が締めくくりに近づく中、地域コミュニティーの再生や被災者の心のケアなど現在の課題に不満を抱く被災者の姿が浮き彫りになった。

<県民意識調査>「復興実感」に地域差 内陸部は増、沿岸部は減(河北新報)

知って頂きたいポイント2つです。

一つは、当初は住宅再建が被災者の最大のニーズですが、再建の目処がつくと地域コミュニティ(周辺住民との繋がり)に課題が急変すること。

もう一つは、人間関係を減らしている人ほど、復興を感じなくなってしまうこと。

孤立してしまっている被災者一人一人に寄り添い続けなければ、復興は実現されることがありません。行政が進める復興事業の大半は「ハード」に関するものです。「心の復興」等のNPOによる事業も広がっていますが、十分行き届いているわけではありません。新しいまちづくりの一方で、地域の方々にいかに寄り添うかが、引き続きの課題です。

■参考
・「東日本大震災から8年。被災者の心をいやし、よそ者の力を借りて復興を進めていく」(藤沢烈note, 3月11日)
阪神・淡路大震災からの生活復興2005 −生活復興調査結果報告書−


編集部より:この記事は、一般社団法人RCF 代表理事、藤沢烈氏の公式note 2019年3月23日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は藤沢氏のnoteをご覧ください。